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大型ディーゼル・サルーンの実力は アウディS7 vs メルセデスCLS 400d vs アルピナD5 S 後編

2019.10.20

100字サマリー

GTにとって最も重要な要素である高速走行では、低回転から溢れるトルクにより快適に走ることができました。一方よりテクニカルな道ではアウディの回頭性の良さが際立ちます。しかしトータルバランスでは、この類のクルマ作りに慣れたアルピナに一日の長がありそうです。

もくじ

最も重要な高速道路での走りは
鋭い回頭性を見せるアウディ
トータルの出来栄えはアルピナの勝利

最も重要な高速道路での走りは

われわれが最初に注目したのは、これらのクルマにとって最も重要な高速走行だ。メルセデスは非常に快適でありながら、今までになく深く低いレザーシートでGTらしさが際立っている。そして同じくレザーのステアリングは大きめで細くやや古風だが持ちやすい。

アルピナも同様に快適だが、内装の質感は他の2台を上回り、スイッチ類もシンプルでありながらエレガントだ。特別スポーティな感じはしないが、そういった類のクルマではないので当然だ。アルピナはサスペンションやハンドリングに加え、BMWのターボ付き直6エンジンにも手を加えているが、5シリーズのサルーンらしいフィーリングは消えていない。

アウディS7スポーツバック
アウディS7スポーツバック

一方で、アウディはより道路と一体化したような感覚だ。内装は水平的なダッシュボードに加え、2枚の非常にシャープなタッチスクリーンで構成されている。車内の雰囲気は若干冷たく、少し高めのシートからの眺めは良好だが、他の2台ほどクルマとの一体感は感じられなかった。

しかし、巡航時の走りは良好だ。2050kgの車重はこの3台の中でも最も重いが、M1を走る限りではこの重量が安定感に貢献しているようであった。この個体はコイルスプリングにアダプティブダンパーという組み合わせだが、エアスプリングを選択することも可能だ。

メルセデスはエアサスペンションが標準だが、その乗り心地は20インチにランフラットという組みわせゆえアウディに及ばない。ドライビングポジションは良好だが、手のひらや太ももに伝わる路面の感触がダイレクトすぎるのである。

 
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