4座4WDのフェラーリから先進的すぎたハイブリッドまで 今も異彩を放つ個性的なクルマ 48選(中編)

公開 : 2026.05.31 11:25

他者とは異なる道を歩んだ結果、「異色」の存在とみなされているクルマは少なくありません。今回は、奇抜なデザインから時代を先取りしすぎた構造など、常識にとらわれず、型破りな挑戦をしたクルマを48台紹介します。

フェラーリ・フォー(FF)

フェラーリは、厳密には「ステーションワゴン」と呼べるようなクルマをこれまで販売したことはないが、2011年から2016年のFFはそれに非常に近いものだった。しばしばシューティングブレークとも呼ばれるフェラーリ・フォー(FF)は、驚くべき実用性(後部座席を倒した際の荷室容量は800L)と、フロントに搭載された6.3L V12エンジンの咆哮、四輪駆動、そして320km/hを超える最高速度を兼ね備えている。

確かに素晴らしいクルマだが、もしエレガンスを追求するのであれば、他の選択肢へ目が向いてしまうだろう。

フェラーリ・フォー(FF)
フェラーリ・フォー(FF)

フィアット500ツインエア

フィアット500は2007年にデビューしたが、当時すでにレトロスタイルのクルマが数多く登場していたため、特に異色とは見なされていなかった。しかし、3年後にツインエアが登場したことで状況は一変する。この875ccエンジンは、1980年代にシトロエンLNAが生産終了して以来、欧州の量産車に搭載された初の2気筒ユニットだった。

このエアエンジンはフィアットの優れたバルブリフト&タイミング技術「マルチエア」を採用するために、一から設計された。構造自体も興味深いが、アイドリング時にまるでゴロゴロと喉を鳴らしているかのような音を立て、言葉では言い表せないほど可愛らしいのである。

フィアット500ツインエア
フィアット500ツインエア

フィアット・ムルティプラ

1950年代の初代ムルティプラは、フィアットの小型車600の6人乗りバージョンであり、その外観は実に奇抜だった。1998年に登場した現代版も同様だが、より実用的な座席配置(3人掛けシートが2列)と、初代モデルにはなかったフロント部のクラッシャブルゾーンという利点を持っている。

そのデザインは、控えめに言っても物議を醸すものだった。フィアットは数年間この路線を貫いたが、2004年に方針を転換し、従来型のデザインに変更。率直に言って印象に残りにくいものにしてしまった。

フィアット・ムルティプラ
フィアット・ムルティプラ

フォード・コンサル・クラシック

フォードはそれまで大胆なデザインを作るイメージはなかったが、1961年にコンサル・クラシックを英国市場に投入した際、大きな波紋を呼んだ。米国車のトレンドを強く受けたスタイリングで、4灯式ヘッドライトと逆傾斜のリアウィンドウを備えているのだ。後者は1959年からアングリアに採用されていたものだが、より大型のモデルでははるかに奇抜に見えた。

コンサル・カプリと呼ばれるクーペ版は、より一般的なリアウィンドウを採用しているが、それでも非常に奇妙な外観だった。コンサル・クラシックと同様、販売は不振に終わり、1964年のクリスマスまでに両モデルとも生産中止となった。

フォード・コンサル・クラシック
フォード・コンサル・クラシック

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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