3種類のクルマを兼ねた1台 RRでミニ・シリーズに勝負(3) ミニ 1275 GT vs サンビーム・スティレット
公開 : 2026.05.31 17:55
FFのミニ・シリーズと比較されがちな、RRのインプ・シリーズ。ライバルとなるモデルが、同時期に提供されていました。スポーツ仕様から小さなワゴンまで、3種の魅力をUK編集部が比べます。
もくじ
ークーパーの影になった「ダサいミニ」
ー「長距離移動は、もはや我慢大会ではない」
ー運転が楽しい3種類のクルマを兼ねた1台
ーSOHCのリアエンジンで2+2のクーペ
ーミニ 1275 GTとサンビーム・スティレットのスペック
クーパーの影になった「ダサいミニ」
1969年に登場したミニ 1275 GTは、物議を醸す存在だった。従来と異なるフロントマスクは、親会社のブリティッシュ・レイランド社が、ミニ・シリーズの刷新を目的に与えたもの。スタイリングを担当したのは、フォードから移籍したロイ・ヘインズ氏だ。
このデザインは、エルフとホーネットの後継となるサルーンのクラブマンから与えられ、ミニ・クーパー MkIIの後継に当たる1275 GTにも展開された。その名の通り、エンジンはシングルキャブの1275cc Aシリーズ・ユニットが載っている。

ややこしいことに、従来のフロントマスクを備えたクーパー S MkIIIも、1971年まで提供されている。こちらは、走り好きのマニアへ向けた設定だった。結果として、従来的なファンの間では、1275 GTは「ダサいミニ」と見なされていた時期もある。
しかし1971年式のオーナー、アラン・クラーク氏は、クーパーの影になるように、過小評価されてきたミニだと考えている。「1275 GTのフォルムには否定的な意見も多かったですが、シンプルなメカニズムで整備は簡単といえました」
「長距離移動は、もはや我慢大会ではない」
「最近は、同時期のクーパー Sが4万ポンド(約840万円)前後で取引されており、安価な1275 GTは再評価されています。レストアに、多くの時間と費用を割く人も増え始めましたね」。クラークが続ける。
サスペンションは、初期型ではシトロエンへ通じるハイドロラスティックだったが、1971年式からラバーコーン式へ置換されている。シンプルな構造を理由に。

1275 GTは1980年まで生産され、スポーティなミニでありつつ、従来のクーパーより上等な内装を売りとした。メーターパネルは、ダッシュボード中央ではなくドライバー正面で見やすく、サイドウインドウは上下に開き、ベンチレーションも改良されている。
「ミニでの長距離移動は、もはや我慢大会ではなくなりました」と伝えたのは、当時の自動車雑誌、モーター誌だ。オリジナルは口ひげのように見えるフロントグリルも、精悍さを増し、今では好感を抱く人は多いだろう。
運転が楽しい3種類のクルマを兼ねた1台
他方、サンビームが提供したスポーティなコンパクトカーが、ヒルマン・インプの兄弟モデルとなるスティレット。発売は1967年後半で、レース仕様の4気筒エンジンを搭載していたが、上質な内装も強みとされた。
「豪華なサルーンでしょう。リクライニングできるシートはゆったりで、4灯ヘッドライトはスタイリッシュ」。スポーツカーを諦めるよう諭された夫は、妻へこう説明すると契約が進みやすいと噂されていたとか。

もっとも、ルーフはビニール張りで、リアシートは分割可倒式。ファストバックのシルエットをまとい、余計な説明なしでも奥さんは納得したかもしれない。モーター誌は「3種類のクルマを兼ねる1台。運転が楽しく、維持費は安い」と纏めている。
スポーティな上級仕様のインプとして、サスペンションのダンパーは強化され、前列にはバケットシート。875cc 4気筒ユニットは、ツインキャブレター化されていた。



































































































































