アウディの考える「質」 企業訪問で見えた「狂気」ともいえる細部のこだわり

公開 : 2018.02.03 08:10

アウディは「質」について、あらためて深く思案しています。たとえばボディパネルの隙間は0.2mmまで。こだわりは、それだけではありません。企業訪問は驚きの連続です。

text:Julian Rendell(ジュリアン・レンデル)

もくじ

自動車会社からデジタルカンパニーへ
ボディパネルの隙間 0.2mmまで
トラブルシューティングの効率化
4人のチーム 80%のイノベーションに
電子顕微鏡に3億2030万円の投資

自動車会社からデジタルカンパニーへ

9月に発売された、アウディ初の電動車「e-トロン」や、これらのモデルに見られる積極的なデジタル化には、アウディの確固たる「クオリティ」への追求が見て取れる。

「当社は、たんなる自動車メーカーから、新のデジタルカンパニーに成り代わるために、今までで最大の変化を迎えようとしています」とQA(品質保証)主任のワーナー・ホフマンはAUTOCARに語る。

「カスタマーから、わたしたちのクルマの機能性、快適さ、バリュー、信頼性に対する期待があるなかで、ことクオリティーはわたしたちの強みのひとつなのです」

ドイツ、インゴルシュタットに位置し、500の車両機能と2800人のスタッフを抱える、アウディのヘッドクオーターの品質部門では、電動化に伴い、複雑化している未来のアウディに対応すべく、最新の技術を採り入れている。

例えば、バッテリー式のアウディには、100以上のノード制御コンピューターが取り付けられる。これは、現在の一般的なエンジンが発するシグナル数が1万2000なのに比べて、10万ものシグナルを発するとされている。

アウディの品質チームが、直接、新製品の開発に関わるのは、一般的な4年製品サイクルの最終段階であり、完成されたモデルの質を最も向上させることができる、最後の6〜10カ月間なのだという。

彼らは具体的にどんなことをしているのだろう? 取材にいったわれわれは、もはや「狂気」とも表現できそうなアウディの徹底したこだわりを目の当たりにした。

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