眼力を増す3本爪 新型 プジョー408 ハイブリッド145(1) メルセデス・ベンツGLCに見劣りしない内装 フランス車らしい大胆ボディ

公開 : 2026.06.25 18:05

クロスオーバーモデル『プジョー408』が小改良を受けました。メルセデス・ベンツGLCへ見劣りしない車内空間や、大胆なスタイリング、スムーズな加速にシャープな操縦性など、多くの強みを秘めます。UK編集部の試乗です。

フランス車らしい大胆な姿

プジョーといえば、数字3ケタのモデル名。3で始まるプジョーは代々、手頃な大きさのファミリーカーで、9で始まるのはル・マン24時間レース前提の耐久レーサーだ。

しかし、4で始まるモデルは個性派が多い。1935年には、流線型の402が提供されているが、後継に当たる403はスクエアなフォルムのサルーン。1950年代当時、ブランドのデザインを定義するモデルとなった。

プジョー408 ハイブリッド145 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョー408 ハイブリッド145 GTプレミアム(欧州仕様)

1980年代後半には、直線基調の405が支持を獲得。1990年代の406には、ピニンファリーナ・デザインのクーペがあり、時代を代表する美麗な量産車になった。

そして、今回試乗したのは408。前CEO、リンダ・ジャクソン氏は、2022年の発表時に「サルーンとSUVの中間的なモデル」だと表現している。実際、ノッチバック・ボディをまとったクロスオーバーで、フランス車らしい大胆な姿が魅力の1つをなす。

小改良で眼力を増したスリークロー

そんな408は今年、小改良を受けた。主な変更点は、ラインナップの簡素化と見た目のリフレッシュ。特にフロントマスクは、スリークローと呼ばれる3本ラインのデイライトが眼力を強め、テールライトも一新。リアでは、プジョーのロゴが光る。

シャープなラインと丸みを帯びた面が組み合わされ、印象は躍動的。リアフェンダーは筋肉質で、クロスオーバーらしく樹脂製カバーがホイールアーチを覆い、無二の個性を生んでいる。全長は4687mmあり、現行のBMW 3シリーズへ近い。

プジョー408 ハイブリッド145 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョー408 ハイブリッド145 GTプレミアム(欧州仕様)

プラットフォームは、プジョー308も採用するEMP2 V3。エンジンと電気モーター、両方のパワートレインに対応した、巧妙な設計にある。前輪駆動のみで、サスペンションは前がマクファーソンストラット、後ろがトーションビームとベーシックな構成だ。

今回試乗したのは、ハイブリッド145。1.2Lターボエンジンに、6速ATと一体になった21psの電気モーターが組み合わされ、145psの最高出力を得ている。1.6Lプラグイン・ハイブリッドも選べ、こちらは総合239ps。バッテリーEV版の、E-406もある。

GLCから乗り換えても見劣りしない車内

インテリアは、上級志向を表すように上質。メルセデス・ベンツGLCから乗り換えても、見劣りしないプレミアムな空間を得ている。シャープに弧を描くダッシュボードには、巧妙にエアコンの送風口を統合。センターコンソールにも、高級感が香る。

メーター用モニターは、3D効果で映し出されるが、驚くほど立体的。ワイドなタッチモニターとタッチセンサーのメニュー、複数の物理スイッチという、3段構成のインターフェイスは洗練され扱いやすい。巧妙なデザインといえる。

プジョー408 ハイブリッド145 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョー408 ハイブリッド145 GTプレミアム(欧州仕様)

ウエストラインは高めで、奥まったダッシュボードと相まって、円形劇場のような包まれ感も魅力的。前席のシートは身体を包むように支え、オプションでヒーターやマッサージ機能も実装できる。まるで、上級グランドツアラーのようだ。

後席の空間は、前後方向に余裕がある。荷室容量は、同クラスのステーションワゴンに劣るものの充分広く、小物入れは充実。後方視界は、ルーフラインの影響で広くはない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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