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2018.11.11

GT-R50やゼロウノ VWが買収後「イタルデザイン」何めざす? 試乗で探る

編集部より

ゼロウノに乗って、今年50周年を迎えたイタルデザインのいまに注目してみました。日産とのコラボレーションでGT-R50 byイタルデザインを発表するなど、2010年のフォルクスワーゲンによる買収を経て、いまやイタリアが誇るこのデザインハウスは再びその活躍の場を広げているようです。

もくじ

見慣れた光景 ゼロウノの役目
グループ外も顧客 管理は厳重
GT-R50 by イタルデザイン
見事なエンジニアリング
驚異的なモデル 喜ばしい復帰
番外編:イタルデザインの50年 その影響

見慣れた光景 ゼロウノの役目

過去70年以上にわたって何度も目にしてきた光景だ。ダイニングテーブルほどの大きさと車高しかない、まるで別世界からやってきたようなマシンが、まるで弾丸のようなサウンドを発しながら曲がりくねった道を駆け抜けていく。

多くは明るいカラーに塗られたエッジの効いたボディには、奇妙な形の穴が空けられ、道行くひとびとを驚愕させている。かれらは、例えこのクルマを作ったのが誰だか知らなくても、これがとんでもない速さと価格を併せ持つ、真に注目すべき存在であることは知っているのだ。

こうした光景は、イタリアのアルバやアスティ、クネオ周辺に拡がるブドウ畑に覆われた丘陵地帯では珍しくもなく、近隣の村々を走り廻るイタルデザインのゼロウノは、サイクリストの一団や慌ててスマートフォンで写真を撮ろうとするトラックドライバー、さらには驚いた表情を見せるハイカーたちの注目を集めていた。


ゼロウノは、トリノ近郊のモンカリエーリに拠点を置くイタルデザインが生み出した最新のスーパーカーであり、過去50年以上にわたって、この創造の聖地とでもいうべきスタジオから登場してきた何十台もの究極のスポーツカーの系譜に連なる1台だ。突き詰められた構造や速さ、価格といった点で十分にハイパーカーと定義されるクルマとゼロウノとの違いは、その生産規模にある。

この150万ポンド(2億1626万円)ものプライスタグ(この価格は間違いではない。しかも税別だ)を掲げるモデルは、5台すべてのオーナーがすでに決まっており、最後の2台はタルガルーフ仕様のゼロウノ・ドゥエルタとして登場する。

ゼロウノの目的はイタルデザインの能力を示すことにあるが、彼らの役割にも変化が生じている。1968年にデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロと、エンジニアのアルド・マントバーニによって設立されたこの高名なイタリアのデザインスタジオだが、2010年にはフォルクスワーゲングループに買収され、その独立スタジオとしての歴史に終止符を打つ一方で、安定的な依頼の確保に繋がったことをご記憶かもしれない。

確かに、フォルクスワーゲンを救うことになった初代ゴルフを生み出したのはイタルデザインだが、この多産で知られるデザインスタジオからは、パンダやウーノ、プントといったフィアットを代表する数多くのモデルや、美しいアルファ・ロメオにマセラティ、BMW M1、ロータス・エスプリ、さらには、その多くが大きな影響を及ぼした数えきれない程のコンセプトモデルも登場しているのだ。

だからこそ、この20年でピニンファリーナが苦境に陥り、ベルトーネがその歴史に幕を下ろしたように、こうしたデザインスタジオの未来が見通せなくなっている時代とはいえ、イタルデザインをただひとつの自動車グループだけに縛り付けるということは、ある意味では残念な出来事といえるかもしれない。

 
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