カーボン塗装技術に15年、はじまりは偶然 アストンからも受注 その軌跡

公開 : 2019.03.21 09:50  更新 : 2019.03.21 12:02

桁違いの発色性能

ラッカーに関してはスプレーブースでの自動車塗装と同様に、クリアの下地剤を吹いてプロジェクト12の職人がやすりをかける。トップコートのクリア塗装が終わると、手作業で磨かれ品質管理部門の検査を受ける。キングはこの部門を冗談交じりに「利益妨害部門」と呼ぶ。どれだけ小さなミスも見落とさないからだ。

塗料はツヤありやツヤ消しクリアが用いられる場合もあり、紫外線フィルタとして働いてカーボンの黄ばみを抑える効果を持つ。

ツヤ消し仕上げは最も難しい。問題があった場合、最後に磨いて修正することができないからだ。そのため、スプレーガンを完全に直線的に向ける必要がある。

もちろんどちらの塗装もカラーに対応しており、従来の手法に比べ発色が桁違いだ。

ラッカー層の下に金箔を使用する技術は現在も開発中だが、15年で数十万ポンドを費やしナチュラルコンポジットセンターの認証を得た今、キングの目標はほとんど達成された。カーボンの仕上げで驚異の技術を手に入れ、彼のチームはその道の第一人者となったのだ。

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像