【パンデミックショック】フォード 5360億円の営業損失を予測 商品投入延期

公開 : 2020.05.08 10:50

大幅な株価下落に苦しむ米フォードは、新型肺炎の影響により、第2四半期に邦貨にして5360億円の営業損失が発生すると予測しています。開発や生産ラインの混乱から、マッハEなどの新しいモデルの投入も、遅らせるそうです。

第2四半期に巨大な損失

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)

フォードは、新型コロナウイルスによる危機により、第2四半期の営業損失が50億ドル(5360億円)を超えると予測し、2020年上半期の見通しは暗いとしている。

同社のCFO、ティム・ストーンは、投資家に対し、第1四半期の利息と税金前の損失が6億3200万ドル(680億円)に上ると発表した。

フォード・マッハE電動SUV
フォード・マッハE電動SUV

また、第1四半期は、かなりの収益を上げる見通しだったが、今回のパンデミックにより、北米以外のすべての地域で、赤字となっていると述べている。

第2四半期の損失予測は、ほかの自動車メーカーと同様、株式市場で苦しんでいるアメリカのほかのメーカーよりも悪いものとなっている。

今年、フォードの株は、これまでに約47%下落している。

同社は、財政の維持に重点を置いており、多くの商品の発売を延期している。

フィナンシャル・タイムズは、フォードのCEO、ジム・ハケットは、新しいマッハE電動SUVとF150ピックアップ・トラックの納車、および新しい四駆SUVブロンコの発表が、数週間遅れる可能性があると報じている。

開発や生産ラインの混乱を考えれば、このような遅延は予想の範囲内だろう。

オートモーティブ・ニュースは、米国市場向けの電動SUVを生産する、フォードの高級部門であるリンカーンと、EVの新興企業リビアンとの提携がキャンセルされたと報じている。

フォードは、来週ヨーロッパ全域で生産を再開する予定となっている。

同社は、当面の優先事項は「現金を確保し、資金の柔軟性を維持し、パンデミックを乗り切ること」であると述べている。

そのため、役員の給与を据え置き、四半期ごとの配当を一時停止し、運用コストを削減し、設備投資を削減している。

同社はまた、既存の信用枠から150億ドル(1兆6000億円)以上を借り入れている。

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