BYDドルフィン コンパクトEVで内外装のクオリティは上々 しかしながら残念な初試乗の顛末も

公開 : 2024.01.24 17:45

前回のアット3に続き、コンパクトEVであるBYD社「ドルフィン」に試乗です。今回の仕様は標準モデルとロングレンジモデルのうち一充電走行距離400kmと発表される前者ですが、少し残念な初試乗の顛末もありました。

BYD日本上陸第二弾は精悍なイルカ

先の東京オートサロン2024に出展したBYD。同社の黒ずくめのブースで注目を集めていたのは、4ドアセダンのBYDシールだった。

やっぱり全身黒ずくめで、何しろカッコイイ。その傍らで、今回の主役であるコンパクトハッチのEVモデル、BYDドルフィンもそれなりに注目を浴びていた。

BYDドルフィン
BYDドルフィン

ちなみにシールは今年の春ごろ発売が開始される予定。対するドルフィンは昨年秋ごろ、アット3に続くBYDの日本上陸第二弾として販売がスタートしている。

全長4455mmのアット3に対し、4290mmのドルフィンの見た目はひと回り以上コンパクトに見える。ボディサイドの凹凸が滑らかなアット3に対し、ビシッとシャープなプレスラインが入っていることでも引き締まり感がある。はっきり言ってアット3以上にデザインコンシャス。まとまり感は素晴らしい。

ドルフィンには今回試乗した標準モデル(バッテリー容量44.9kWh)と大型バッテリー(58.56kWh)を積むドルフィン・ロングレンジがある。

両者は最高出力も異なり、標準の95psに対しロングレンジは204ps。ちなみにどちらもFFということになる。さっそく標準モデルのドルフィンに乗り込んでみよう。

外観より楽しそうな内装こそBYDの個性?

先に試乗したアット3はユニークな室内の造形に驚かされた。ドルフィンはその名の通りイルカを意味しており、波打つようなラインが絡まるダッシュパネルでもわかる通り、海やイルカがモチーフになっている。

アット3の室内は奇をてらった造形が多く見られたが、操作系の使い勝手はコンサバにまとめられていた。だがドルフィンのそれはセンターコンロールに並んだ丸いスイッチ、イルカの胸びれ風のドアハンドルなどすっきりした意匠の中に工夫が盛り込まれている。

BYDドルフィン
BYDドルフィン

プラットフォームがアット3と共用なので当然なのだが、ステアリングやその奥に据えられたメーターパネル、センターモニターの部品は一緒である。一緒なのは問題ないが、メーターパネルに小さく表示された文字が見にくい点は老眼泣かせで大いに気になった。

アット3よりデザインフェーズが新しく、同時に外装と同じく室内の仕上げもいい。これは期待できそうだと思い走り出す。ところが第一印象は「なんだか軽い」だった。

いい意味で軽いのではなく、車体全体の質感がどうも軽々しい。先に乗ったアット3は骨太な感じがして、作り込んだ感があったのだが、ドルフィンは対照的に思えたのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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