【後継車候補に急浮上】EV歴13年の日産リーフ・オーナーがBYDドルフィンに試乗!

公開 : 2025.04.11 18:05

2011年からZE0型24kWh、30kWhと乗り継ぎ、7年前にZE1型40kWhの日産リーフに乗り換えたオーナーのリアルなEVライフ・レポート。後継EVを探すべく、今回は中国車に試乗しました。

日産リーフの後継EVとして魅力的

執筆/撮影:Kaoru Kobayashi(小林薫)

中国メーカーであるBYDのEVは、世界的に驚くほど売れています。日本でも販売されていますが、実際のところどうなのか、と、多くの方が思っているのではないでしょうか。

ハッチバック型のBYDドルフィンを、どのようなクルマなのか、興味津々で6日間に渡り試乗してみました。ドルフィンを選んだのは、3台目となる日産リーフZE1型40kWhの後継EVにちょうど良さそうだったのが理由。街乗りが多い日常生活中心に利用するならコンパクトEVがいいのでは、と個人的に思っています。

甲府市内にあるBYD AUTO山梨。
甲府市内にあるBYD AUTO山梨。    小林薫

その結果、ドルフィンは、航続距離は今のリーフの約3割増し、車体の大きさと重量はリーフとほぼ同じ、Apple CarPlayで地デジチューナーの装着可能、V2Lにより外部AC 100V電源を利用でき、バッテリー温度管理もあり、と、後継EVとしての要望をすべて満たしていました。

また、実際に街中や高速道路を試走しましたが、加速や操作性に問題はなく、その印象はとても良いものでした。

これまでいろいろな輸入車を検討してきましたが、このドルフィンのデザインや内装もヨーロッパ車などに決して負けておらず、最有力のクルマに急浮上です。

タイヤサイズもリーフと同じで、冬タイヤとチェーンがそのまま使えます。試乗した結果がここまで良いと、中国メーカーBYDのEVを実際に購入し、日常生活で使用したら、さらにいろいろな発見がありそう、と期待が膨らみます。

なお、試乗車はベースラインで、航続距離400km(WLTC)、バッテリー容量44.9kWh、車両重量1520kg、モーター最高出力70kW、最大トルク180Nmです。

驚くほどの多くの機能がありました

最初にお店の方からクルマの説明を受けましたが、その機能の豊富さにまずは驚かされました。

中央にある大きなディスプレイ画面にはいろいろな機能設定のアイコンが出ており、取扱説明書なしでその多くの機能を誰でもすぐに操作できるようになっています。

普通充電ポートに接続したV2Lユニット。
普通充電ポートに接続したV2Lユニット。    小林薫

また、それぞれの機能も良く考えられており、クルマのオーナーにあったものに設定できるのには感心してしまいました。ブラウザのアイコンもあり、まるでスマホにタイヤとモーターとハンドルが付いたようだと言っても過言ではありません。

実際、クルマに通信用SIMカードが付いており、4G通信を2GBまで通信料メーカー負担で使えるとのことで、Apple CarPlayでスマホ連携させることなく、大きな画面でスマホのようにネット検索なども行えます。ここまで進化したEVが実用車として実際に売られる時代になったことを知り、驚かざるを得ませんでした。

また、このディスプレイとは別に、運転支援の物理スイッチもあり、走行モード、回生ブレーキの強さ、エアコンのオートなどをここでも切り替えることができて、馴染み易く操作性の良いものになっています。

試乗車を自宅に持ち帰り、最初にしたのは、Apple CarPlayによるブルーレイプレーヤーの再生がどのようなものになるかの確認です。クルマのUSB端子とプレーヤー出力とをHDMIアダプターによって接続するもので、12.8インチもある高精細画面にブルーレイディスクの映像が映し出され、その迫力は素晴らしいの一言でした。音声の遅れがありましたが、0.4秒の補正ができる映像デジタル遅延装置をHDMIケーブルの途中に挿入することにより、ほぼ解消することができました。

同じように地デジチューナーを接続すれば、地デジ放送も利用することができ、充電待ちの時などに有効に使えそうです。ほとんどの輸入車では地デジ放送の受信を標準ではできないので、この方法を活用できます。Apple CarPlayは、2016年以降に発売された多くの輸入車と国産車で利用できるようになっているようです。また、この大画面のディスプレイは、縦横を変えられ、ナビの地図表示も見やすい物になっていました。

V2Lアダプターはオプションで購入でき、普通充電ポートに接続して使用します。これは100V15Aの交流電力を外部に供給するもので、アウトドアレジャーや災害時などに利用でき、リーフにはなくぜひ欲しいと思っていた機能です。不要な方もいそうなので、オプション設定にしているのはいいと思いました。

通常のキーとは別にカードキーが付いており、これを知った時、とても嬉しい気分になりました。ホテルの部屋のカードキーと同じで、このような物があるのを初めて知りました。日頃、キーを入れたポケットの膨らみが気になっていましたが、カードなら免許証などと一緒にカード入れにしまえてじゃまになりません。

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  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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