小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的

公開 : 2024.05.05 19:05

95psでも充分 しなやかで落ち着いた乗り心地

95psを発揮する1.0L 3気筒ガソリンターボは、排気量の割にトルクが太く、マナーも良好。軽快に回り、必要な時に必要なだけの力を生み出してくれる。5速MTのレシオはややロングだが、中間加速で不満を感じることもない。変速感も小気味いい。

この上に114psの仕様があり、確かにパワーには余裕が生まれる。とはいえ95psでも充分といえ、7速デュアルクラッチATを選べることが、グレードアップの主なメリットといえそうだ。

フォルクスワーゲンTクロス 1.0TSI 95 ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲンTクロス 1.0TSI 95 ライフ(英国仕様)

ステアリングやペダルは適度に軽いが、フィルターが掛かったように、感触は薄め。扱いやすくはある。ブレーキの強さも、滑らかに調整できる。

試乗車は、大きめの16インチ・アルミホイールを履いていたが、乗り心地はしなやか。路面からの隔離性に優れ、つぎはぎの多い都市部のアスファルトにも、問題なく対処していた。

フェイスリフト前のように、サスペンション・スプリングの柔らかさを感じることもなくなった。従来は100km/h前後で凹凸を通過すると、浮遊感が強く感じられたと記憶している。

姿勢制御はタイト。流れが速めの郊外の一般道でも、ボディの落ち着きが霞むことはない。操縦性には一定の落ち着きがあり、グリップ力も優れている。

小さく合理的なオールラウンド・クロスオーバー

小さなクロスオーバーをお考えで、熟成された実力派がお望みなら、フォルクスワーゲンのTクロスは好適な1択になる。大人なスタイリングも魅力だが、一層のオシャレを望むなら、英国にはクーペ風のタイゴもある。

ブランドらしい洗練性と、優れた車内空間、実用性を備え、エントリーグレードでも品質は高い。より若々しい見た目のライバルも存在するが、Bセグメントの合理的なオールラウンダーとして、モデルライフ後半でも充分な競争力は維持できている。

フォルクスワーゲンTクロス 1.0TSI 95 ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲンTクロス 1.0TSI 95 ライフ(英国仕様)

◯:充実装備で広々とした車内 マナーの良い走りと運転のしやすさ 使い勝手に優れる後席と荷室
△:スタイリッシュさではライバルに及ばない 少し高めの価格帯

フォルクスワーゲンTクロス 1.0TSI 95 ライフ(英国仕様)のスペック

英国価格:2万3975ポンド(約460万円)
全長:4127mm
全幅:1760mm
全高:1573mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:11.2秒
燃費:17.6km/L
CO2排出量:128g/km
車両重量:1254kg
パワートレイン:直列3気筒999cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:95ps/5500rpm
最大トルク:17.8kg-m/1600-3500rpm
ギアボックス:5速マニュアル(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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