大型SUVへドンピシャのV6ディーゼル フォルクスワーゲン・トゥアレグへ試乗 価格帯は上昇

公開 : 2023.11.13 19:05

VWのフラッグシップSUVがフェイスリフト 15.0インチモニターが標準 高級感が漂うインテリア 3.0L V6ディーゼルは大型SUVに好適 英国編集部が評価

VWのフラッグシップSUVがアップデート

フラッグシップ・モデルとは、そのブランドの頂点を飾る、上質で高価なクルマに用いられる。われわれは、それに一定の洗練性や性能を期待する。

市民のクルマ、フォルクスワーゲンにとってのフラッグシップは、欧州市場ではトゥアレグだ。2002年に初代が登場して以来、その座を守り続けてきた。ポルシェカイエンと技術を共有しつつ、手頃な価格帯でBMW X5などとしのぎを削ってきた。

フォルクスワーゲン・トゥアレグ・ブラックエディション 3.0TDI 4モーション(英国仕様)
フォルクスワーゲン・トゥアレグ・ブラックエディション 3.0TDI 4モーション(英国仕様)

日本市場へは3代目が導入されていないものの、実はモデルチェンジから5年も経過している。競争力を高めるため、大幅なアップデートが施された。

といっても、その中心はソフトウエア。オプションだった「イノビジョン・コクピット」と呼ばれるインフォテインメント・システムと、12.0インチと15.0インチのモニターが標準装備になっている。

これまで、113万台以上がラインオフしたというトゥアレグ。その台数を勢いよく伸ばせる内容か、順番に確かめていこう。

まずはスタイリングから。フロントマスクに手が加えられ、LEDマトリックス・ヘッドライトを獲得し、シャープな目つきになっている。バンパーのエアインテークは大型化され、ラジエーターグリルの処理も改められた。

リア側もテールライトを中心にリフレッシュ。夜間には、水平に赤い光が灯る。

ボディサイズは変わらず、全長が4902mmで、全幅は1984mm、全高が1695mm。このクラスでは全高が低く、スポーティな印象を与える。

高級感が漂う内装 15.0インチモニターが標準 

パワートレインの選択肢は従来どおり。3.0L V6ディーゼルターボは、230psと286psの2段階の最高出力が選べる。3.0L V6ガソリンターボは、340psを発揮する。同じエンジンのプラグイン・ハイブリッドも設定され、こちらはシステム総合で380psだ。

カイエンに並ぶたくましさを欲するなら、3.0L V6が461psを繰り出す、トゥアレグ Rも選べる。見た目もアグレッシブに仕立てられる。

フォルクスワーゲン・トゥアレグ・ブラックエディション 3.0TDI 4モーション(英国仕様)
フォルクスワーゲン・トゥアレグ・ブラックエディション 3.0TDI 4モーション(英国仕様)

サスペンションはコイルスプリングが標準だが、追加費用でエアスプリングも指定可能。後輪操舵システムも、オプションで装備できる。

インテリアは、同社のフラッグシップらしく高級感が漂う。ダッシュボード中央には15.0インチのタッチモニターが据えられ、プレミアムでハイテクな印象を与える。メーターパネルもモニター式。高精細でグラフィックは見やすい。

インフォテインメント・システムのメニュー構造は、理解しやすい。表示は美しく、入力に対する反応も素早い。

ただし、実際に押せるハードボタンは殆どない。エアコンの温度調整はスライダーと呼ばれるタッチセンサーで行うが、運転中の操作はほぼ不可能だろう。また、大画面は良いのだが、操作時にフレームなどで手を支えることが難しくなった。

ステアリングホイールにも、タッチセンサー式の操作パネルがある。こちらも、ハードボタンの方が簡便なはず。

内装は、ソフトタッチ加工された領域が広く、素材も上質。ブランドらしい上品さと堅牢さを漂わせる。ダッシュボード上面やセンターコンソールは、レザー張りだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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