メルセデス・ベンツCLS350 AMGライン・シューティング・ブレーク

公開 : 2014.12.21 23:50  更新 : 2017.05.13 12:50

それだけに、3500rpmから上が息苦しくなるのは残念。アウディA7ほど幻滅することはないけれど、フォルクスワーゲンのBiTDIユニットならば、あと1000rpmくらいは踏ん張れるはずだ。

一方、快適性とスポーティネスの両立はお見事。標準でセルフ-レべリング・エア・スプリングをリアに組み合わせることから4ドアのCLSよりも心地いいうえ、九十九折におけるハンドリングにも満足できる。

ベンドでのバランスは非常に優れており、エア・スプリングに起因する身のこなしの鈍さも見当たらない。しかし低速域は要注意。硬く、バタバタしているため、早急な改善を望みたい。

■「買い」か?

ビッグ・ベンツのなかでも、CLSは際立った存在だ。そしてこのモデルからは、トランスミッションやインフォテイメント・システムがさらに魅力に磨きをかける。乗ってみれば、グランド・ツアラーとスポーツ・エンターテイナーの両方を演じてくれるとくれば、買わないという選択肢はない。

ただしデビューから10年が経ったいま、クラス覇者をいつまでも名乗るわけにはいかなくなっているのも事実。ポルシェパナメーラ・ディーゼルの方が動力性能もハンドリングも、正直にいって優れている。やや古風な350ブルーテック・ユニットでは太刀打ちできないようなモデルが続々と姿を表しているのだ。

ただしCLS単体でみれば、その魅力は十分なもの。CLSにだって伸びしろは残っているのだから、いまはスタイリングをたっぷりと味わい尽くせばいい。エンジンや動力性能のことなんぞ、気にもならなくなってくる。それくらいに美しいクルマなのだ。

(マット・ソーンダース)

メルセデス・ベンツCLS350 AMGライン・シューティング・ブレーク

価格 £51,400(960万円)
最高速度 245km/h
0-100km/h加速 6.6秒
燃費 17.6km/ℓ
CO2排出量 149g/km
乾燥重量 1935kg
エンジン V型6気筒2987ccターボ・ディーゼル
最高出力 259ps/3600rpm
最大トルク 63.2kg-m/1600-2400rpm
ギアボックス 9速オートマティック

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