航続距離がすべてじゃない! ミニ・カントリーマン SE オール4へ試乗 「ゴーカート」感なSUV

公開 : 2024.06.25 19:05

鋭く滑らかな加速 引き締まったコーナリング

試乗車には、まだインフォテインメント・システムに多少のバグが残っていた。新モデルとして、少し寛容に接する必要はあるだろう。エクスペリエンスをグリーンへ切り替えると、複数のイラストがモニター内で動き、少し気が散るようにも思えた。

往年のクーパーS風のインテリアがお好みなら、スポーツ・グレードが好適。ダッシュボードが鮮やかなチリ・レッドで装飾される。

ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(英国仕様)
ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(英国仕様)

さて、確認を終えて公道へ出てみよう。内燃エンジンで走るカントリーマンと乗り比べると、約450kg増えた車重を実感する場面はある。だが、ツインモーターのパワーが、それを巧みに補っている。

加速は鋭く滑らか。淡泊な印象は拭えないが、それはバッテリーEVに共通することだ。

アルミホイールは20インチだったが、乗り心地は良好。SUVでもゴーカート・フィーリングを意識しているだけあって、やや硬く感じられる路面もあるとはいえ、内燃エンジン版よりしなやかに不整をいなしていた。

速度が上昇しても、JCWほど回頭性は鋭くないものの、この手のモデルとしては引き締まったコーナリングを披露。操縦性のバランスは良く、iX2より優れるといっていいだろう。思わず笑顔になるような、運転の楽しさがある。

回生ブレーキの設定の幅は広く、ブレーキペダルを踏まずに済む、ワンペダルドライブにも対応。交通状況に応じて変化する、アダプティブモードも選べる。ただし、パドルで強さを変えることはできない。

現実的な航続距離は約360km 安いEの方が訴求力は上?

エクスペリエンスのゴーカート、コア、グリーンの3種類は、ドライブモードも兼ねる。それぞれ、スポーツ、ノーマル、エコと考えていい。ステアリングの重さやパワーデリバリーのほか、オプションのアダプティブダンパーの硬さも変化する。

電費は、高速道路から峠道までを複合的に走らせた平均で、4.8km/kWh。カタログ値の5.9km/kWhと、開きが出てしまった。現実的な航続距離は、360km前後と考えられる。急速充電能力は130kW。これは、クラストップの数字ではない。

ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(英国仕様)
ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(英国仕様)

5000ポンド(約100万円)ほど英国では安いEの方が、訴求力では上かもしれない。航続距離も30kmほど長くなる。

英国仕様のカントリーマンには、トリムグレードの他に、レベル1〜3のオプションパッケージが用意されている。レベル1は2500ポンド(約50万円)で、アダプティブLEDヘッドライトにコンフォート・アクセス、ヘッドアップ・ディスプレイなどが得られる。

レベル3は7800ポンド(約156万円)。5000ポンド(約100万円)のレベル2へ含まれるハーマン・カードン社製オーディオやパノラミック・サンルーフに加えて、メモリー機能付き電動シート、車内カメラ、駐車支援システムなどが追加される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事