「たっぷり盛った」斬新インテリアに驚く! ミニ・カントリーマン Cへ試乗 170psで充分楽しい

公開 : 2024.04.08 19:05

3代目へモデルチェンジしたミニ・カントリーマン シンプルでゴージャスなインテリアに驚く 170psでも充分速い 安定性が高く運転は楽しい 英国編集部が評価

たっぷり盛ったインテリアに驚く

筆者が、新モデルのインテリアでここまで驚いたのは、2017年に発売されたテスラモデル3以来。そして、印象は素晴らしい。まあ、ハイパーカーのパガーニにも驚いたが、あれは別領域にある。

モデル3では、ミニマリズムを追求した無味乾燥としたインテリアが鮮烈だった。明るく開放的な雰囲気はポジティブだったが、人間工学には小さくない課題があった。

ミニ・カントリーマン C エクスクルーシブ(英国仕様)
ミニ・カントリーマン C エクスクルーシブ(英国仕様)

新しいミニ・カントリーマン(旧クロスオーバー)のインテリアも、同じくらいインパクトがある。ダッシュボード中央の円形タッチモニターには、フレームがない。メーターパネルも備わらない。ミニマリズムという点で、同じ延長にあるといえる。

しかし、内装素材やデザインセンスは、たっぷり盛った「マキシマリズム」。見れば見るほど、説得力に溢れている。

非常にシンプルなダッシュボードは、緩やかにカーブを描く。縦に長いエアコンの送風口は、メルセデス・ベンツSクラスにも通じる雰囲気があり、スタイリッシュなだけでなく上品でもある。

まん丸のタッチモニターは、ダッシュボードから浮いたような処理で未来的。内装を覆うテキスタイルには、適度な高級感がある。ファッションブランドのミッソーニ社製であることを、粗めの織り目が主張する。

ドアハンドルは、おしゃれな家具の取っ手のよう。ステアリングホイール・スポークの裏側、見えない部分までテキスタイルが巻かれている。神は細部に宿るのだ。

カントリーマンには170psで充分

文章で説明すると、ちょっと煩雑なデザインに思えるかもしれない。しかし、現物のまとまりは素晴らしい。テスラと異なり、実際に押せるハードスイッチも、少ないながら残されている。興味を抱いたら、ぜひディーラーを訪れてみて欲しい。

今回試乗したカントリーマンは、英国仕様ではエントリーグレードとなる「C」。パワートレインは、かなりコンベンショナルな内容といえる。

ミニ・カントリーマン C エクスクルーシブ(英国仕様)
ミニ・カントリーマン C エクスクルーシブ(英国仕様)

フラッグシップのジョン・クーパー・ワークス(JCW)には、300psを発揮する4気筒ガソリンターボエンジンが載る。Sには、同じ4気筒で218psのユニットが載る。だがCが積むのは、170psを発揮する3気筒ガソリンターボの、マイルド・ハイブリッドだ。

トランスミッションは、7速デュアルクラッチ・オートマチック。前輪駆動のみの設定で、Cでは四輪駆動は選べない。サスペンションも、コンベンショナルなコイルスプリングと可変しないダンパーという組み合わせになる。

0-100km/h加速は8.3秒で、カタログ燃費は16.7km/L。四輪駆動のSより加速はやや劣るぶん、燃費は褒められる。

実際にステアリングホイールを握ってみれば、カントリーマンにはこの170psで充分だと理解できる。特徴的なノイズを僅かに響かせながら、軽々と発進。28.5kg-mと最大トルクは太く、アクセルペダルを踏み込まずとも、勢いよく加速していく。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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