「積極的」に選びたくなる濃い個性! ミニ・カントリーマン SE オール4へ試乗 新型EV版登場

公開 : 2024.03.18 19:05

モデルチェンジしたミニ・カントリーマンにEV版も登場 特別感がありつつ親しみの湧くスタイリング シンプルでレトロチックなインテリア 英国編集部が評価

特別感があり親しみの湧くスタイリング

バッテリーEVは、どれも似たような馬力と航続距離を持ち、特徴が薄いとお感じの読者は少なくないかもしれない。大抵の場合、駆動用バッテリーがフロア下に並び、ダッシュボードには大きなタッチモニターが鎮座している。

しかし、3代目へ進化したミニ・カントリーマン(旧クロスオーバー)は、それらとは一線を画す。まず、見た目がチャーミング。このブランドは、バッテリーEVとの相性が高いのだと実感する。

ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(欧州仕様)
ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(欧州仕様)

若々しいスタイリングは、特別感がありつつ親しみが湧く。インテリアには適度なレトロ感が漂い、丸く大きなタッチモニターが個性的。電動化へ舵を切りつつあるミニだが、新型カントリーマンには大きな可能性があるように思う。

間もなく発売される、3ドアハッチバックのミニ・クーパー Eと、コンパクト・クロスオーバーのエースマンは、バッテリーEV専用のプラットフォームを採用している。だが、ひと回り大きいカントリーマンは、BMW X2やiX2のそれと共有している。

駆動用モーターとバッテリーだけでなく、内燃エンジンと燃料タンクにも対応する、マルチ・パワートレイン・プラットフォームだ。先日試乗した、2.0L直列4気筒エンジンで走るミニ・カントリーマンと、同じでもある。

ボディサイズも同一で、全長は現行のミニとしては最大となる4433mm。荷室容量は460Lある。バッテリーEVであることの差別化は、フロントグリルのデザインと、各所に配されるエンブレム程度。ぱっと見は、違いへ気付きにくい。

シンプルでレトロチックなインテリア

カントリーマン Eは前輪駆動で、iX2と同じ203psの駆動用モーターがフロントに載る。四輪駆動のカントリーマン SE オール4では、リア側にも駆動用モーターが追加され、システム総合で313psへ上昇する。

駆動用バッテリーの容量は、共通して64.7kWh。航続距離は、Eで461km、SE オール4で432kmが主張される。急速充電能力は130kWまで。いずれも、このクラスでは特に目立つような数字とはいえない。

ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(欧州仕様)
ミニ・カントリーマン SE オール4 エクスクルーシブ(欧州仕様)

反面、インテリアから受ける印象は、他に例がないほど新鮮。試乗車だったエクスクルーシブ・グレードでは、明るめのカラーコーディネートで、シンプルなデザインにレトロチックな処理が散りばめられ、非常に好印象だった。

ダッシュボードを覆うクロスは、スポーツ・グレードより温かみがあり、肌触りも良い。広々とした空間が、魅力を高めている。

車載機能の操作の殆どは、ダッシュボード上のタッチモニターへ集約されている。試乗車には、オプションのヘッドアップ・ディスプレイが装備されていたが、メーター用モニターが省かれていることを考えると、ぜひ追加したいアイテムだ。

インフォテインメント・システムは、一種のドライブモード、8種類の「エクスペリエンス」モードに連動する。タッチモニターの下に並ぶ、ソリッドなトグルスイッチで選べ、グラフィックや表示情報のレイアウトが変化する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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