プジョー308GT 1.6 THP

公開 : 2015.01.17 23:50  更新 : 2017.05.29 19:00

インテリアはエクステリアよりも更に好印象。基準車でさえ高い評価を得ていた内装は、メタル風の素材を用いることにより最上級グレードに似つかわしい、価格以上の質感を手にしている。また赤色のステッチの足し方にもセンスを感じられ、クッション性の高いスポーツ・シートも座っていてとても心地よい。当然、後部座席の居住性は変わっておらず、特に足元が窮屈に感じられるけれど、仮に後席の居住性まで求めるならばさらに大きい兄弟モデルを選べばいいだけのはなしだ。

走りだせば思わず頬がゆるんでしまうのは、4気筒の奏でるサウンドゆえ。キャビンの雰囲気から、大排気量エンジンさながらの嫋やかな回転フィールを期待しなくもないが、実際にはエッジの立った活発な4気筒特有の元気の良さを楽しめる。100km/hまで7.6秒という数値は、
この手のクルマとしては決して速いわけではないけれど、レーシーと呼ぶには十分な雰囲気で、100km/hまでの到達マナーにもドラマがある。

シャシーの改良は明確に感じとることができる。先述のサスペンション周りのキャリブレーションは、入力に対してきちんと応えてくれる印象だ。たいていの場合は無粋なショックに対しても、それなりの硬質さはあるが不快に感じないあたりの、程よい落としどころを見極めていると感じた。

208 GTIと比較すると、スロットル-オンによりアンダーステアが顔を出しはじめると、ほんのわずかな便りなさを感じる。果敢にコーナーに立ち向かっていく反面、高速コーナリング時には快適性がややおちるため、必然的に粘り強さにも限界があるように感じる。また極めて小径のステアリング・ホイールが原因で、入力に対する挙動変化に慣れるまでかなりの時間がかかった。

■「買い」か?

ハンドリングには制限が付きまとうものの、ウォーム・ハッチとして必須事項はきちんとクリアしている印象。内外装のルックスや装備、活発さ、車両価格など、強力な武器も数多にある。

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