新たな価格設定とアップデートで競争力上昇 プジョーE-308 GT(2) 高い洗練度 乗り慣れた特徴が滲む

公開 : 2026.01.26 18:10

小改良でバッテリーが55.4kWhへ拡大したE-308 フロントマスク一新 洗練度の高いパワートレイン 新たにパドル獲得 プジョーらしい軽快な走り 実環境での電費良好 UK編集部が試乗

洗練度の高いパワートレイン パドル獲得

ステランティス・グループのバッテリーEVは、いずれもパワー&スピード自慢というわけではない。プジョーE-308の0-100km/h加速は、9.0秒がうたわれる。しかし、感心するほど高い洗練度や、運転しやすいことが強みだろう。

最高出力の156psを引き出すには、ドライブモードをスポーツに切り替える必要がある。ひと手間あるものの、高速道路でも充分な加速力を得られ、一般道での追い越しに躊躇することもないはず。興奮を誘うほどではないとしても、終始滑らかだ。

プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)

2025年のアップデートでは、ステアリングホイール裏に回生ブレーキ用のパドルが追加された。惰性走行やワンペダルドライブには対応しないが、3段階から任意に強さを選べる。もう少し、変化の幅があればなお良い。

プジョーらしい軽快さ 雨天時の優れた安定性

軽快な操縦性には、プジョーが代々提供してきたハッチバックへ通じる特徴が滲む。乗り慣れた「らしさ」をEV時代にも求めるドライバーは、強く共感するはず。

乗り心地は、適度にタイト。フォルクスワーゲンID.3のような、巧みな衝撃吸収性までは備わらないが、柔らかいゴムの上に乗っているような、しなやかさがある。無駄のない姿勢制御も好ましい。

プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)

転がり抵抗を抑えたタイヤを履くが、グリップ力は高い。エンジン版の308より車重があるぶん、ステアリングの重みも僅かに増しており、より直感的な操舵感が生まれている。反面、カーブへ飛び込んでも、車重による慣性は感じにくい。

感心したのが、雨天時の安定性だろう。濡れた路面でホイールスピンする前輪駆動のEVは多いが、E-308のトラクションは優秀。ブレーキの効きも頼もしい。

有能な車線維持支援 実環境での電費良好

運転支援システムは、車線維持支援や制限速度警告、ドライバー監視など一連の機能が備わる。ボタンの長押しで無効にできるが、車線維持支援は特に良く機能し、オンのままでも煩わしく感じることはなさそう。

しばしば話題になるプジョーのi-コクピット・レイアウトへ、筆者は比較的すぐに慣れることができた。座面が高めの運転姿勢と相まって、ステアリングホイールの上からメーター用モニターを確認しやすく、違和感は長く続かなかった。

プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)

実環境での電費は良好といえ、試乗時の平均で7.0km/kWhを記録している。1度の充電で、380kmほど走れると考えて良いだろう。急速充電は最大100kWと、ひと世代前の速さではあるとしても。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

プジョーE-308 GTの前後関係

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