シルキーシックスが魅力の核 BMW X3 M50へ試乗 適度なサイズが生む出色の運転体験
公開 : 2025.04.06 19:05
グラフィックや内装には指摘したい部分も
インテリアは、ワイドなモニターパネルとライトバー・トリムを獲得。光沢の強いプラスティック製パネルが目立ち、一部の部品はソリッド感が足りず、高級感は上昇していないがモダンになった。
ダッシュボードやドアの内張りは、最近のミニを真似たのか、クロスで覆われている。肌触りは良いものの、上級SUVにふさわしい処理とはいい難いだろう。

車載機能の操作の多くは、タッチモニターへ集約されているが、その位置はドライバーの手元から遠い。表示されるアイコンは小さめで、目的の項目へ辿り着くまでに、多くのメニュー項目から探り出す必要がある。
またモニターの表示は、右ハンドル車へ最適化されていない。アイフォン・ユーザーなら頻繁に利用したいであろう、アップル・カープレイのメニューは左端に位置する。
センターコンソールには、従来的なロータリー・コントローラー。ないより遥かにマシだが、前後左右へ押すにはかなり力が必要で、項目を選ぶ妨げになっている。クルクルと、滑らかに回転はするけれど。
その周辺にはショートカットボタンが並ぶものの、すべて触感が同じで、指先を見なければ正しいボタンを押せない。結果的に、前方から視線を移す時間は期待ほど短縮できていない。
メーター用モニターには、スポーツ・モードを選ばない限り、タコメーターが表示されないのも疑問。Mを冠したモデルにも関わらず。そのモードのまま、サスペンションをコンフォートへ変更することは可能だが。
選びたいと思わせる、最大の要因はシルキー6
運転体験は間違いなく素晴らしい。6気筒エンジンは特に。しかし長い時間を過ごすと、本来あるべきものが省かれたインテリアによる、車載機能の使いにくさが気になり始めてしまう。この点では、ボルボEX90ほどではないものの、それと評価は遠くない。
シルキーなB58型ユニットが、新しいX3 M50を選びたいと思わせる、最大の要因だといっていい。高速道路の巡航なら、燃費は13.5km/Lまで伸びる。1週間お借りした平均値でも、11.7km/Lを残してくれた。性能を考えれば、驚かずにはいられない。

魅力的な多気筒ユニットを搭載した、大きすぎないモデルは希少な存在になっている。ライバルのメルセデスAMG GLC 43に載るのは、直列4気筒ターボだ。V6エンジンを搭載した、ポルシェ・マカンは製造が終了してしまう。
もっとも今なら、新しいアウディSQ5とランドローバー・レンジローバー・ヴェラールでも、まだ6気筒エンジンは選べるけれど。英国価格はだいぶ高い、アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオと、マセラティ・グレカーレ・トロフェオでも。
BMW X3 M50 xドライブ(英国仕様)のスペック
英国価格:6万8480ポンド(約1335万円)
全長:4755mm
全幅:1891mm
全高:1660mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.6秒
燃費:12.7km/L
CO2排出量:178g/km
車両重量:1980kg
パワートレイン:直列6気筒2998cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:398ps/5200-6250rpm
最大トルク:59.0kg-m/1900-4800rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)













































































































































