BMW新時代の幕開け 9月に新型EV『iX3』正式発表 1回の充電で800km走行可能?

公開 : 2025.08.08 06:45

BMWは9月に開幕するミュンヘン・モーターショーにて、2代目となる新型『iX3』を公開する予定です。次世代のプラットフォームとパワートレインを採用し、内外装のデザインも一新。EV販売の拡大を図ります。

先進技術を多数導入

BMWは、新型の電動SUV『iX3』を9月のミュンヘン・モーターショーに出展し、初公開する予定だ。ノイエクラッセ(Neue Klasse)シリーズの最初の量産EVで、新時代の幕開けを告げるものだ。

新型iX3は来年初頭に販売開始予定で、BMWにとって重要なマイルストーンとなる。先進的なプラットフォームと、新しいデザインを導入するためだ。(AUTOCAR英国編集部はプロトタイプに試乗し、その走りをレポートしている。)

2代目となる新型『iX3』のプロトタイプ
2代目となる新型『iX3』のプロトタイプ

発売後は、同じくミュンヘン・モーターショーで発表されるメルセデス・ベンツの新型GLCと競合することになるだろう。両車は、排出ガス規制の強化を受けてEVの販売拡大を図り、欧州で最も競争の激しいセグメントでの地位を固めようとしている。

新型iX3に続き、EVの3シリーズ・セダンも間もなく登場する予定だが、その発表日はまだ確定していない。

昨年公開の『ノイエクラッセ・ビジョンX』コンセプトでは、デザインや新技術の一部が披露された。iX3としては2代目に数えられ、ガソリンエンジン搭載の現行型X3(4代目)と並行販売されことになる。

プラットフォームには新開発のノイエクラッセ構造を採用する。その結果、バッテリーは薄型化し、モーターの効率も向上するなど、現在のEVから「飛躍的な進化」を遂げることになるという。

円筒形セルを備えたニッケル・マンガン・コバルト(NMCバッテリー)の容量は未公開だが、iX3の航続距離は初代モデルより300km以上長い800kmになるとされている。

これが実現すれば、欧州市場で最も航続距離の長いEVとなり、現在トップの750km以上を誇る新型メルセデス・ベンツCLA with EQテクノロジーを上回る。

800Vの電気アーキテクチャーを採用することで、バッテリーは最大400kWで充電可能となり、対応充電器を使用すれば10分の充電で350kmの走行が可能になる。

来年初頭の発売時は、2種類のパワートレインが用意される。シングルモーターの後輪駆動モデルと、最大407psを発生するデュアルモーターの四輪駆動モデルだ。

また、現在のBMWモデルの10倍の処理速度を誇る新しいコンピューティングシステムも特徴となる。

さらに、車内空間を最大限に確保し、空力性能を向上させるため、前席をバッテリーに直接固定するという同社初の設計を採用している。

記事に関わった人々

  • ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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