広州汽車、欧州で販路拡大へ 格安のコンパクトEV『アイオンUT』英国導入

公開 : 2025.04.11 06:45

Q&A:GAC最高執行責任者(COO)トーマス・シェメラ氏

――GACと競合他社の大きな違いは?

「何よりもまず、プレミアム品質です。これは特別なことではありません。すべてのお客様がプレミアム品質を期待しているからです。しかし、当社はトヨタホンダとの合弁事業を展開しており、当初からそのノウハウを学んできました。当社の施設、特にアイオン(モデル)の施設を歩き、生産現場を見れば、リーン生産方式(無駄を排除した生産方式)をどのように実践しているかがお分かりいただけるでしょう。品質は単なる言葉だけのものではありません。当社はお客様の視点に立って、品質を非常に真剣に受け止めています」

GACのトーマス・シェメラCOO
GACのトーマス・シェメラCOO

――GACの欧州市場進出にどのような期待を寄せているか?

「市場に参入した時点でブランド認知度が低い場合は、まずブランド認知度を高める必要があります。次のステップは、お客様との交流です。いわば、『涙の谷』を歩むようなものです。投資は必要ですし、最初から利益を上げられるわけではないことを十分に認識しなければなりません」

――なぜデザイン業務の拠点をミラノに置くのか?

「わたしはグローバリゼーションを推し進めたい。中国人の視点からグローバル化を理解することは非常に重要であり、世界中の消費者が何を求めているのかを知りたいと思っている。そして、当社は多様性に富んでいます。中国で成功したものがすべて他の市場でも通用するわけではなく、そのことをはっきりと理解しなければなりません。その逆もまた然りです」

超高級コンセプトモデルも披露

世界展開の計画を具体化するだけでなく、GACはブガッティ・タイプ57 SC、コンコルド、シャネルのハンドバッグからインスピレーションを得た高級車のコンセプトモデル『ハイパーラグジュアリー(Hyperluxury)』を披露した。

カラーリングはシャネルの影響を受けている。ブランドロゴをほとんど排除したブラックの外装と、鮮やかなオレンジの内装のコントラストが際立ち、ダッシュボードには巨大なGACのロゴがエンボス加工されている。

GACハイパーラグジュアリー・コンセプト
GACハイパーラグジュアリー・コンセプト

シートは、1928年に製作された有名なル・コルビュジエのラウンジチェア『LC4』のミニマルなデザインにインスパイアされたもので、暖房や冷房機能は一切ない。代わりに、ドライバーはこれらの機能を備えた大きなジャケットを着用する。このジャケットは、1920年代から30年代にかけてオープンカーを運転する人々が着用していた大胆な服装を意識したものだ。

クルマの解錠と始動には、従来のキーではなく、アクセサリーとして身につけることができる金の指輪を使う。

GACミラノスタジオのデザインディレクター、ステファン・ジャニン氏によると、人の手で作るということを重要視し、人工知能(AI)ツールの支援なしで設計したという。

このハイパーラグジュアリー・コンセプトに市販化の予定はないが、GACはこれをさらに発展させたモデルを今月後半の上海モーターショーで発表予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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