ルノーが電動ミニバン導入か 商用車ベース、VW ID.Buzzに対抗 斬新な初代『エスパス』風デザイン採用?

公開 : 2025.05.02 18:45

ルノーは新型の電動商用車『トラフィック』、『エスタフェット』、『ゴエレット』の3車種を発表しました。その派生モデルとして、乗用ミニバンやキャンピングカーの導入も検討中。世界でミニバンが注目を集めつつあります。

ミニバンに熱視線、再び

ルノーは、新型の電動ミニバン(MPV)の導入を検討している。フォルクスワーゲンID.Buzzに対抗し、初代エスパスのデザインを復活させる可能性もある。

英国バーミンガムで開催された商用車ショーで、ルノーは『トラフィックEテック(Trafic E-Tech)』、『ゴエレットEテック(Goelette E-Tech)』、『エスタフェットEテック(Estafette E-Tech)』の3車種の新型バンを発表した。

英国で公開されたルノーの電動商用車『トラフィックEテック』
英国で公開されたルノーの電動商用車『トラフィックEテック』    AUTOCAR

同社のバン設計責任者であるヤニック・ビグノン氏はAUTOCARの取材に対して、乗用車バージョンの開発も検討中であると語った。「現時点ではまだ確定ではありません、検討を進めています」

3車種のバンで採用されているスケートボード型のEVプラットフォームにより、初代エスパスの特徴であった回転式「キャプテンチェア」のような斬新なシートアレンジが可能になるのかという質問に対し、ビグノン氏は「おっしゃることはすべて、現在取り組んでいるところです」と答えた。

しかし、同氏は乗用車バージョンについて詳しく話すのは「時期尚早」だとして、「ピープルムーバー(ミニバン)については、もし確定すれば後日発表します」と述べた。

トラフィック、ゴエレット、エスタフェットの3車種では、ミニバンの他に、キャンピングカーやフードトラックなど、35種類以上のバリエーションが提案されている。

ルノーのバン部門担当上級副社長、ハインツ=ユルゲン・レーヴ氏は、そのような車両は「良いアイデアかもしれません。まだ実現はしてませんが、もちろん検討中です」と述べた。

バンの設計を乗用車にどう応用できるかについて、レーヴ氏は次のように説明した。

「スケートボードの美点は、スケールアップが可能なことです。当社は操縦性を重視しました。これは、クリオ(日本名:ルーテシア)と同等の最小回転半径を持つ唯一の1トン積載バンだと思います」

現在、欧州市場では7人乗りSUVに「エスパス」の名称が使用されているが、AUTOCARは以前、初代エスパスの流れを汲む新型ミニバンが開発中だというニュースを記事化した。

ルノーのAmprミディアムEVプラットフォームのグローバル責任者であるオリヴィエ・ブロッセ氏は昨年、AUTOCARに対して、初代エスパスを継承する新型車は「検討中」であると語っている。

「技術的には可能だと思いますが、ミニバンが欧州のお客様に受け入れられるかどうかを検討する必要があります」とブロッセ氏は付け加えた。

一方、フォルクスワーゲンが展開する電動ミニバン、ID.Buzzは大きな注目を集めている。自動車業界の調査会社ジェイトー・ダイナミクスの調べによると、今年に入ってから欧州市場でのID.Buzzの販売台数は5000台近くに達し、2024年の同時期の2倍以上に増加している。

キアも市場シェアを狙い、新型電動バンのPV5の乗用車バージョンを準備中だ。

世界の他の地域でもミニバンが再興している。例えば、中国では人気が急上昇しており、最近の注目モデルにはジーカー・ミックス、マクサスMifa 7などが挙げられる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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