バスを通して最新技術を知る『大阪・関西万博』

公開 : 2025.07.03 08:05

まだ少数派の電気バスがたくさん

では、会場内のバスはどうかというと、万博のシンボルである大屋根リングを巡るように、西ゲートや東ゲートなどを結ぶ外周バスが用意されている。

車両はEVMJ製で、非接触給電が導入されていることがポイントになる。コイルを内蔵した路面上に車体がいれば、走行中でも充電されるとのことだ。充電方法が違うだけなので、乗った印象は通常の電気バスと変わらない。充電時間が節約できるので、こちらも合成燃料と同じように、実用化が望まれる技術と言える。

ヒョンデ『グリーンパークバス』。
ヒョンデ『グリーンパークバス』。    ヒョンデ

ちょっと変わった使い道としては、ヒョンデ・エレクシティタウンが、スタッフの移動用のほか休憩スペースとしてバスを活躍している。『グリーンパークバス』という名のとおり、内部は木目と芝生を基調にした仕立てになっていて、しっかり休息用に作り替えているところに好感が持てる。

以前の連載でも書いたように、会場内はベンチが多いし、大屋根リングは日よけや雨よけにも使えるけれど、無料で涼める場所があるのはありがたいし、柔軟な発想に感心した。ヒョンデでは5月からこのサービスを導入していて、6月からはいすゞの車両も加わっているそうだ。

全国的にはまだ少数派である電気バスがたくさん走っていて、休憩スペースという新しい使い方の提案もある。合成燃料や自動運転、非接触給電といった新しいテクノロジーもある。おまけに1カ所ですべてを見ることができるので効率的だ。

万博が最新技術を一気に体験できる場であることを、バスを通して教えられた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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