【近未来の正しい姿とは】アウディは得意のデジタル技術に磨きをかける!大切なのはシンプルさ

公開 : 2025.10.01 11:45

デジタルステージが生む未来的なコクピット

Q6 eトロンから、コクピットデザインも新たなものになった。

アウディといえば、バーチャルコクピットに象徴されるデジタルな空間が持ち味だが、近年は高級車を中心に巨大なモニターを搭載するのが定番化。アウディの次なる一手は、巨大なモニターでもメーター内蔵のセンターモニターでもなく、自身の世界観を進化させたもの。それが『デジタルステージ』だ。

Q6 eトロンから、コクピットデザインも新たなものになった。
Q6 eトロンから、コクピットデザインも新たなものになった。    アウディ・ジャパン

具体的には、従来まで独立していたアウディバーチャルコックピットとMMIタッチディスプレイを一体デザインとする『アウディMMIパノラマディスプレイ』に発展。助手席用独立型の10.9インチMMIディスプレイも追加された。

これはよりドライバーオリエンテッドなコクピットデザインとしながら、車載機能の操作を助手席からも操作できるよう設計。運転中も隣でTVや動画が楽しめる。

さらに拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイやダッシュボードを横断するインタラクションライトを取り入れるなど、これまで以上にデジタル機能が強化された。

ビジュアルとサポート力が凄いARヘッドアップディスプレイ

新型Q6 eトロンのコクピットは、ドライバーズカーであることを重視するアウディらしくドライバーオリエンテッドな空間であり、視界や操作性は従来と大きくは変わらない。

ただ運転してみると、それぞれの強みが最大限体験できる構成に進化していると実感する。その最たるものが、バーチャルコクピットとARヘッドアップディプレイの連携だ。

最大200m先の道路上に情報が浮かんでいるよう表示するARヘッドアップディスプレイ。
最大200m先の道路上に情報が浮かんでいるよう表示するARヘッドアップディスプレイ。    アウディ・ジャパン

ARヘッドアップディスプレイは、ドライバーから最大200m先の道路上に情報が浮かんでいるよう表示する。特に便利なのがカーナビ利用時で、進行方向を立体的な矢印で表示するだけでなく、交差点や分岐などで進行方向を明確に示してくれる。

また、車線逸脱などの警告もAR上で分かりやすく表示され、前方を直視した状態で対処できる。その結果、運転中のメーターへの視線移動も大きく削減された。

さらにアウディMMIパノラマディスプレイとなったことで、インフォテイメントモニターの視認性が高まったことから、バーチャルコクピットから地図表示機能を削除するなどモニターの役割分担をより明確化した。

室内のライティング技術も進化し、アンビエントライトを兼ねるインタラクションライトは、ウインカーとの連動や充電時の表示にも活用するなど、ドライバーとの対話をシンプル化させながらも、メッセージ性を強めるなどの工夫が見られる。

乗れば感じる?未来のアウディ

車載機能のデジタル化を一足先に進めてきたアウディは、新世代では目新しさよりも『デジタル化が生む運転のしやすさ』という本来の目的にフォーカスしたと実感。運転に関する表示を敢えてシンプル化するなど、分かりやすさを重視していた。

そのデジタル機能の進化を支えるのが、新たな電子アーキテクチャー『E3 1.2』。5台の高性能コンピューターから構成されるシステムで、部分的な自動運転まで対応できる、まさに将来のデジタル機能における要となるものだ。Q6 eトロンは第一弾モデルだけにシステムの活躍も限定的ではあるが、今後の発展性に期待が膨らむ。

アウディは得意のデジタル技術にも磨きをかけている。
アウディは得意のデジタル技術にも磨きをかけている。    アウディ・ジャパン

ブランドの急速な電動化シフトの陰で、得意のデジタル技術にも磨きをかけているアウディ。未来に向けデジタル機能が強化される最新モデルの中で、一足先を進んできたアウディが見せるシンプルさを大切にしたデジタル技術は、近未来クルマの正しい姿ではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大音安弘

    1980年生まれ、埼玉県出身。幼き頃よりのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿では、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。愛車は、スバルWRX STI(VAB)とBMW Z4(E85)など。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事