【若手向けブランド体験会】遠い存在から身近な選択肢へ!黒木美珠が初めて知ったマセラティ・グレカーレの魅力
公開 : 2025.10.10 11:45
マセラティ 横浜港北店で開催された若手編集者対象の体験会に参加した自動車ジャーナリスト(卵)の黒木美珠が、ブランドの背景やショールームの空間、そして最新SUV『グレカーレ・モデナ』の試乗を通じて得た印象をレポートします。
若手編集者に向けた体験会
マセラティ 横浜港北店で開催された若手編集者向けの体験会に参加してきました。これまで私にとってマセラティは、どこか『遠い存在』であり、非日常を象徴するブランドのように感じていました。もちろん価格帯もありますが、それ以上に特別な世界観があり、自分にはまだ早いのではないか、いつか乗れたら素敵だろう……と、憧れの対象でしかなかったのが正直なところです。
自動車ジャーナリストを目指し修行中の立場からすると、まだ取材のご縁がないメーカーも少なくありません。そんな中で、これまで縁遠いと感じていたマセラティが、自ら門戸を開き、学びと体験の機会を与えてくださったことは大きな驚きであり、ありがたく感じました。

今回のプログラムでは、まずブランドの歴史についてレクチャーを受けました。マセラティ・ジャパンの木村隆之代表が自ら登壇し、ブランドを象徴する『トライデント』エンブレムの誕生秘話や、本社が置かれているモデナにおける『イタリア・モーターバレー』の背景などを解説。
AUTOCAR JAPAN読者の皆さんならすでにご存じのことばかりかもしれませんが、改めて基礎から触れる機会を得ることで、私自身はマセラティというブランドの『原点』をあらためて意識することができました。
グレカーレ・モデナに試乗
今回試乗したのは、SUV『グレカーレ・モデナ』。展示車を目にしたときの第一声は「こんなかわいいマセラティってあるんだ」でした。ローズ・ゴールド・リキッド・メタルの外装に、アイス・グレージュの内装という柔らかな組み合わせは、華やかさと上品さを兼ね備え、思わず心を奪われました。
一方で、ショールームに並んでいたブラックのモデルは重厚で力強さが際立ち、同じ車種でもカラーによってまったく異なる個性を放っていました。

マセラティといえば展示車のようなダークカラーで颯爽と走る姿を思い描いていたので、試乗車のローズカラーは新鮮で意外性がありました。女性ユーザーをさらに増やしたいという狙いもうかがっていたので、その思いが形になった1台だと感じます。ローズでありながら甘さに寄りすぎず、気品を感じさせる仕立てでした。
いざ乗り込もうと近づいた時に気がついたのは「意外と大きいな」ということです。全長4845mm、全幅1980mm、全高1670mmという数字は堂々としたサイズを示しており、外から眺めるとワイドに映りました。
しかし運転席に座ると不思議とその感覚は薄れます。アイポイントが高く、視界が広いため、外観で感じた大きさを忘れてしまうのです。
パワートレインは2.0L直列4気筒エンジンに48V BSGマイルドハイブリッドとモノスクロール・ターボチャージャーの組み合わせ。最大出力は243kW(330ps)/ 5750rpm、最大トルクは450Nm / 2250rpmを発揮します。走り出すと静粛性が高く、市街地でもスムーズに加速。ステアリングにはしっかりと重みがあり、足まわりは路面の凹凸をしなやかに吸収して快適です。シートは座面長を調整でき、体格に合わせたポジションを取れます。
直線でアクセルを踏み込むと、穏やかな走りが一転し、背中を強く押されるような加速を見せます。レースから誕生したマセラティ・ブランドらしさを発揮する瞬間に、高揚感を覚えました。
それでいて日常での扱いやすさも兼ね備えています。サイドガラスやドアミラーの視界が広く、交通量の多い場面でも安心して走れます。堂々としたサイズでありながら、運転のしやすさは意外と『普通車』に近いかも。ラグジュアリーブランドのSUVでありながら、実用性と華やかさを両立させている。それがグレカーレ・モデナの最大の魅力だと感じました。








