【第13回】森口将之の『もびり亭』にようこそ:観光の真髄とは?フランスに学ぶ

公開 : 2025.10.08 12:05

取材の申し込みを断るなど、対策を取ることも

今回に限らず、プレゼンテーションに参加して思うのは、フランスに何十回も行っている僕でも初めて聞く内容が多く、有名どころに劣らぬ魅力を持つスポットが、星の数ほどあるということです。

フランス人は日本人とは対照的に、人と違うことに価値があると考える人が多いそうですが、そんなマインドが、ありきたりでない情報をいろいろ届けてくれるというプレゼンテーションにつながっているのかもしれません。

ボートで巡ることが可能なオードマロワ湿地。photo:Nicolas Bryant
ボートで巡ることが可能なオードマロワ湿地。photo:Nicolas Bryant

それに、特定のスポットばかり紹介すると、そこに観光客が集中して、オーバーツーリズム問題が起こるはず。そういう意味でも、好感を抱く内容です。

ではフランスはオーバーツーリズムに悩むことはないのでしょうか。

この点について尋ねると、今回紹介されたオー・ド・フランスでは問題はないとのこと。長年多くの観光客を受け入れているので、対策などが行き届いているためもあるでしょう。

とはいえ他の地域圏では、局地的に過度な人の流入が自然破壊につながりそうな場所で、対策が取られているとのことでした。

たとえばNetflixシリーズのLupin(ルパン)で注目が集まっている北西部ノルマンディー地方のエトルタは、広報的に当地の紹介は避け、取材の申し込みは断るなどの対策を取っているそうです。

フランスの道路は、日本よりもクルマがクルマらしく走れるシーンが多いうえに、名もなき町や村の、素朴だけれど素敵な佇まいが、心地よい気分にさせてくれます。

それこそがフランスの真髄を味わえる旅だと僕は思っていますが、そういう考えができるようになったのも、フランス観光開発機構を通してこの国の観光の奥深さを知ったことが大きいのかもしれません。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。

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