同じくアイサイトのバージョン3を搭載するレガシーB4は、予防安全の機能はさすがに秀逸で、バージョン2では30km/h以内で機能するとされていたプリ・クラッシュ・ブレーキの機能が50km/hまで引き上げられており、実際に50km/h近くの速度からの自動停止を体感することができた。

しかし一方、スバルの要ともいえるドライブ・フィールは、レガシーB4という伝統のネーミングから期待させるほどのものではなく、正直かなりガッカリとさせられた。脚廻りの硬いセッティングによってシャシーが古くさく感じられ、スピードを上げていくとAWDシステムをもってしても、175psという最高出力を上手く受け止められず、浮き足立ったような走りになってしまう。操舵とスロットルやブレーキ操作のマッチングも、レヴォーグとは違ってちぐはぐな部分が目立った。

スバルのフル・ラインナップ試乗会で感じたことは、アタリもあればハズレも混じっているということ。以前とは違い昨今のスバルはマーケティングが上手になってきたので、カタログには魅力的な機能の説明がずらりと並んでいる。だがドライビングに興味があってこのブランドに辿り着いた向きであれば、しっかりと試乗して慎重に見極める必要があると感じた。

(文・吉田拓生　写真・田中秀宣)

スバル・レヴォーグ 2.0GT-S アイサイト(アドバンスドセイフティパッケージ装着車)

価格	3,672,000円
燃費	13.2km/ℓ
CO2排出量	176g/km
乾燥重量	1560kg
エンジン	水平対向4気筒1998ccターボ
最高出力	300ps/5600rpm
最大トルク	40.8kg-m/2000-4800rpm
ギアボックス	CVT

スバル・レガシーB4・リミテッド

価格	3,078,000円
燃費	14.8km/ℓ
CO2排出量	157g/km
乾燥重量	1530kg
エンジン	水平対向4気筒2498cc
最高出力	175ps/5800rpm
最大トルク	20.48kg-m/4000rpm
ギアボックス	CVT