【2代目ホンダ・ヴェゼルにRS登場】機械式駐車場に入れるためノイズ大臣が活躍?車高1590→1545mmローダウンの舞台裏!

公開 : 2025.12.23 12:05

シャークフィンアンテナ廃止にあたり

取材後、エンジニアの方に興味深い苦労話を聞いた。それはシャークフィンアンテナに関することだ。

RS自体の企画は先行していたが、シャークフィンアンテナ廃止は想定しておらず、いざRS発売が決まってから困ったことが起きた。それはノイズだ。

室内はブラックとレッドを組み合わせてスポーティさを演出。
室内はブラックとレッドを組み合わせてスポーティさを演出。    平井大介

アンテナはリアガラスに貼り付けるよくある形ではあるものの、その結果、電波にノイズが発生してしまったという。そこで電子制御ユニット開発のセクションで、その対策をすることになった。

具体的に作業を担当したKさんによると、結果的にはハーネス強化などでノイズを逃がすことに成功したが、その要因を探すのが大変だったという。ひとつずつ外しては検証を繰り返し、時には他部署と掛け合い、いつしかKさんは『ノイズ大臣』と呼ばれるほどになったそう。

我々は簡単に『シャークフィンアンテナを廃止』と書いてしまうが、そういった行間には涙ぐましい努力が隠れていることを、改めて知った。当たり前だが、クルマは人が作っているのだ。

こうして実現した『機械式駐車場に入れることができる』、ホンダヴェゼルRS。販売も好調な滑り出しということで、Kさんはもちろん、関係者はひと安心だろう。もし今後、街中でヴェゼルRSを見かけたら、まず、ルーフにシャークフィンアンテナがないことを確認してしまいそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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