ホンダ・ヴェゼルに『RS』追加!ローダウンでスポーティルックスと実用性両立【機械式立体駐車場もクリア】

公開 : 2025.10.23 11:00

10月23日、ホンダはコンパクトSUV『ヴェゼル』に新グレード『e:HEV RS』を追加設定しました。初代に設定されていたRSは、2021年に登場した2代目現行型では初登場です。篠原政明がモデル概要を解説します。

RSはレーシングスポーツではない

10月23日、ホンダはコンパクトSUV『ヴェゼル』(VEZEL)に新グレード『e:HEV RS』(以下、RS)を追加設定して24日に発売する。

ホンダ・ヴェゼルは初代が2013年10月に登場し、現行型は2021年4月にフルモデルチェンジされた2代目となる。RSグレードは2016年2月に初代に設定されたが、現行型では設定されていなかった。

ホンダはコンパクトSUV『ヴェゼル』に新グレード『e:HEV RS』を追加設定。
ホンダはコンパクトSUV『ヴェゼル』に新グレード『e:HEV RS』を追加設定。    田中秀宣

『RS』というグレードは、ホンダではタイプRほどスパルタンではないがスポーティ指向のグレードとして、現在もシビックを筆頭にフィットやN-ONEなどに設定されている。ちなみに、ホンダ車初のRSは1974年10月に登場した初代シビックRSだ。RSというとレーシングスポーツ的なハードなモデルを想像しがちだが、当時ホンダは『ロードセーリング』の略で、ハイウエイクルージングを意識したモデルと謳っていた。

今回のヴェゼルRSでは何の略かアナウンスされていないが、ヴェゼルの持つ強みはそのままにダイナミクスとデザインを強化したというから、ホンダ伝統の『RS=ロードセーリング』的なモデルとなっているようだ。

さて、激戦区のコンパクトSUV市場で着実に販売台数を獲得し、幅広い顧客層から選ばれているヴェゼル。スタイリングや空間価値、走りの良さが好評の理由だが、このRSを投入することでヴェゼル全体の拡販を図っている。そんなヴェゼルRSの概要を紹介していこう。

モアプレミアム、モアスポーティ

ヴェゼルRSのグランドコンセプトは『アーバンスポーツ・ヴェゼル』。都市型SUVであるヴェゼルのスポーティなイメージを増幅させるのが狙いだ。まずダイナミクス面では、操縦安定性と軽快性の向上を図った。

専用のローダウンサスペンションは、スプリングの高さを15mm下げ、ダンパーの特性を変更。電動パワーステアリングはソフトを変更して専用セッティングとした。これにより、さらなる車両安定性とドライバーの意思に応えるリニアなステアリングフィールを目指し、軽快な走りによる、操る喜びをさらに追求した。その結果、高速道路では安定した走りを、ワインディングロードでは軽快な走りをもたらすという。

車高はZグレードの1590mmより45mm低い1545mmとした。
車高はZグレードの1590mmより45mm低い1545mmとした。    田中秀宣

デザインコンセプトは『モアプレミアム、モアスポーティ』。まず、エクステリアはロー&ワイドでスポーティなスタイリングとした。目をひくのは、専用の黒いフロントグリルと赤いRSエンブレム。フロントバンパーロアグリル、専用前後バンパーモールディング(ダーククロームメッキ)、ドアロアーガーニッシュ(ダーククローム)、ドアミラー(ブラック)などでスポーティさを演出し、ベルリナブラック+ダーク切削クリアの18インチアルミホイールが足下を引き締めている。

そして、シャークフィンアンテナを廃してガラスプリントアンテナに変更して車高を30mm下げ、前述のローダウンサスペンション(マイナス15mm)と併せて、車高はZグレードの1590mmより45mm低い1545mmとした。

これにより、多くの機械式立体駐車場に入庫が可能となり、都市型SUVのヴェゼルにとっては大きなアドバンテージとなるだろう。また、全長は45mm長い4385mmとなったが、全幅やホイールベースは変わっていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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