巨体を突き動かす6.6L V8 ブリストル412 プロトタイプ(2) 量産仕様以上の主張 経営者へ似た豪快な性格

公開 : 2026.05.16 17:50

豪快さをなだめたクルージングが気持いい

6.6L V8エンジンが轟音を放ちつつ、大きなボディを軽々と突き動かす。太いトルクは、3速ATとの相性も良い。扁平率70のミシュラン・タイヤが、路面の凹凸を吸収する。

ステアリングコラムに伝わる細かな揺れは、シャシー剛性の不足によるものだろう。量産版では、補強が施されている。パワーアシストはZF社製で、切り始めはやや曖昧だが、ステアリングホイールは軽く操れ、レシオもスロー過ぎず直感的に導ける。

ブリストル412(プロトタイプ/1973年/英国仕様)
ブリストル412(プロトタイプ/1973年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

フロントノーズは素早く反応するものの、気張らずともボディロールは大きい。急発進を試みると、テールが大きく沈み込む。意欲的に速度は上昇し、あっという間に一般道の制限速度へ。リアのリジットアクスルは、しっかりトルクを受け止める。

豪快さをなだめつつ、春風を受けながらのクルージングが気持いい。ブレーキはもう少し効きが強くて良いが、許容範囲。100km/h時の回転数は1900rpm程度で、クリーミーなサウンドに包まれながら、穏やかに流れる景色を楽しめる。

トニー・クルック氏と似た性格の412

ブリストル・カーズを率いたトニー・クルック氏と、412の性格は似ているように思う。工場で主任マネージャーを務めた、ジェフ・マーシュ氏が振り返る。「25年間も仕事を与えてくれたんです。厳しくも公平な人でした。自分は好きでしたよ」

最終的に603を名乗る次期モデルまでの、つなぎ役だった412。クラシックカーとなった今、類まれな存在感でファンを魅了する。快晴の春に運転すれば、一層惹き込まれる。

ブリストル412(プロトタイプ/1973年/英国仕様)
ブリストル412(プロトタイプ/1973年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

協力:ジェームズ・キャラダイン氏、ジェフ・マーシュ氏、ジョージ・ホワイト氏、コッツウォルド空港

ブリストル412(1975~1982年/英国仕様)のスペック

英国価格:1万4584ポンド(新車時)/4万5000ポンド(約945万円)以下(現在)
生産数:61台
全長:4940mm
全幅:1770mm
全高:1435mm
最高速度:225km/h(予想)
0-97km/h加速:7.4秒
燃費:4.6km/L(予想)
CO2排出量:−g/km
車両重量:1714kg
パワートレイン:V型8気筒6556cc 自然吸気 OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:263ps/4800rpm
最大トルク:56.5kg-m/3200rpm
ギアボックス:3速オートマティック/後輪駆動

ブリストル412(プロトタイプ/1973年/英国仕様)
ブリストル412(プロトタイプ/1973年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・チャールズワース

    Simon Charlesworth

    英国編集部
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ブリストル412 プロトタイプの前後関係

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