史上最高のハイパーカー 52選(前編) ポルシェ959からマセラティMC12まで
公開 : 2025.01.19 18:05
1986年のポルシェ959から2024年のマクラーレンW1まで、史上最も過激かつ最も話題を集めたハイパーカーを振り返る。技術の限界に挑んだ自動車業界の頂点に迫る。
もくじ
ーエンジニアリングの限界に挑め
ーポルシェ959(1986年)
ーフェラーリF40(1987年)
ーRUF CTR(1987年)
ーベクターW8(1989年)
ーブガッティEB110(1991年)
ージャガーXJ220(1992年)
ーマクラーレンF1(1994年)
ーフェラーリF50(1995年)
ーパガーニ・ゾンダ(1999年)
ーアルティマGTR(1999年)
ースパイカーC8(2000年)
ーランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001年)
ーフェラーリ・エンツォ(2002年)
ーアスカリKZ1(2003年)
ーポルシェ・カレラGT(2003年)
ーブリストル・ファイターT(2004年)
ーマセラティMC12(2004年)
エンジニアリングの限界に挑め
ハイパーカーの世界は、これからさらにエキサイティングになりそうだ。
この分野では、従来型の内燃機関を搭載した途方もなくパワフルなマシンが主流を占めていたが、それが今まさに変わりつつある。完全電動のEVモデルが新たに登場し始めており、その中には驚異的な加速性能を誇るものや、場合によっては圧倒的な最高速度を謳うものもある。

それでは、代表的なモデルとともに、ハイパーカーの歴史を最初から振り返ってみよう。まずは、すべてのはじまりとなった1台から……。
ポルシェ959(1986年)
発表された当時は世界で最も技術的に進んだクルマであったが、度重なる遅延により、1986年にデビューした時には、本来競うはずであったグループBシリーズが禁止されていた。車重2トンで最高速度は317m/hに留まるが、四輪駆動、ツインターボのフラット6エンジン、限定生産(337台)という点で、959は本記事の幕開けにふさわしい1台である。
数年前、AUTOCAR英国編集部は再び運転する機会に恵まれた。その時の評価は……「そして4800rpmに達する。そこからがビッグターボの本領発揮だ。今まで、クルマはほとんど頑張っていなかったことがすぐにわかる。シートに押し付けられるのではなく、後ろにドスンと突き飛ばされる。2019年の基準から見ると、この959は驚くほど速いマシンだ。1986年当時、それはまるで砲弾のように感じられたに違いない」

フェラーリF40(1987年)
フェラーリF40は、最高速度320km/hを超える世界初の市販車となった。当時、フェラーリ以外のメーカーではこの壁を超えることはできなかったが、最高出力485psのツインターボチャージャー付きV8エンジンを搭載したF40は、とにかくとんでもないクルマであり、ここで取り上げないわけにはいかない。また、1988年にエンツォ・フェラーリが亡くなる前に承認した最後のモデルがF40だった。
当時、AUTOCAR英国編集部はこう評した。「滑らかな路面ではきらめくような速さを発揮し、その本質は従順で魅力的だ。運転にはそれなりのテクニックを要するが、決して運転が難しいわけではなく、強力なグリップと、さらに重要なこととして、優れたバランスとマナーを備えている」

RUF CTR(1987年)
独立メーカーであるRUF(ルーフ)は単なるチューナーではない。同社の「イエローバード」こと CTR は、最高速度340km/hを記録し、一時期は世界最速のクルマであった。
ポルシェの水平対向6気筒エンジンは3367ccに拡大され、ツインターボチャージャーによって最高出力475psと最大トルク56.4kg-mが引き出される。これにより、CTRは0-100km/h加速を3.65秒で駆け抜けることが可能となった。
