個性的すぎる超レアなクルマたち マン島自動車博物館の展示車両 40選(後編)

公開 : 2025.05.05 19:25

マン島自動車博物館には、マニアックなコレクター父子が収集した数百台の乗用車、商用車、バイクが展示されています。世界に数台しかないモデルや、初代トヨタ・センチュリーのロングボディといった希少車を取り上げます。

21: アメリカン・ラ・フランス

1929年製の消防車が錆びついているのも無理はない。ほぼ1世紀前の車両だ。ダレン氏とデニス氏父子は、この車両が第二次世界大戦直後から倉庫に保管されているところを発見し、オリジナルの装備を全て残した状態で入手した。2人乗りのスピードスターに改造されるのを防ぐため、購入したのだという。

21: アメリカン・ラ・フランス
21: アメリカン・ラ・フランス

22:フォルクスワーゲンパサートW8

パサートB5.5が「クラシックカー」となるには、まだしばらく時間がかかるだろう。しかし、その頃には、信頼性の低さと高い修理費用のために、4.0LのW8エンジンを搭載したモデルはほとんど残っていないはずだ。このエンジンはフォルクスワーゲン・グループの他のモデルには搭載されなかったが、それゆえに希少性は高い。

22:フォルクスワーゲン・パサートW8
22:フォルクスワーゲン・パサートW8

23:モニカ・プロトタイプ#1

これはかなり特別なクルマである。最初に製作されたモニカのプロトタイプだ。モニカとは、1970年代半ばにフランスで生産された高級車のこと。

(次項へ続く)

23:モニカ・プロトタイプ#1
23:モニカ・プロトタイプ#1

24:モニカ・プロトタイプ#2

モニカの歴史は1966年から1975年まで続き、その間に約35台が生産された。しかし、そのうち顧客向けとして作られたのは10台ほどで、残りはプロトタイプだった。写真の車両は2番目のプロトタイプで、1番目(前項)とは大きく異なる。

(次項へ続く)

24:モニカ・プロトタイプ#2
24:モニカ・プロトタイプ#2

25:モニカ・プロトタイプ#6

驚くべきことに、ダレン氏とデニス氏父子はなんと3台のモニカを所有している。6番目のプロトタイプであるこの車両は、未完成のまま工場から出荷された。父子はモニカをこのまま残すか、それとも完成させて走行可能な状態にするか、難しい決断を迫られている。

25:モニカ・プロトタイプ#6
25:モニカ・プロトタイプ#6

26:トヨタセラ

日本のメーカーは長年にわたり、他では手に入らない興味深いクルマを生産してきた。このクルマもその1つだ。1990年から1995年にかけて、約1万6000台のセラが生産された。セラには1.5Lのガソリンエンジンと、壮麗なバタフライドアが搭載されている。

26:トヨタ・セラ
26:トヨタ・セラ

27:ブリストル405

ブリストルは、史上最も謎めいた自動車メーカーの1つである。60年以上にわたる自動車製造の歴史の中で、4ドアモデルはこの405だけだ。1954年から1958年にかけて、405セダンは265台しか生産されていない。当初、1971ccの直列6気筒エンジンを搭載していたが、この車両はローバーV8エンジンに換装されている。博物館ではオリジナルのエンジンを再装着する計画だが、外観の修復は行わないという。

27:ブリストル405
27:ブリストル405

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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