排気量20.0L超は当たり前? 世界最大のエンジン 19選(後編) 20気筒ディーゼル&後輪駆動のモンスターも

公開 : 2026.05.17 11:45

現行の市販車で最も排気量が大きいエンジンは8.0L強ですが、過去にはさらに巨大なものも存在しました。今回は、鉱山用のハウルトラックも含め、古今東西の大排気量エンジンをランキング形式で紹介します。

ブリッツェン・ベンツ:21.5L

1909年、クリスティアン・ラウテンシュラガー氏(1877-1954)は6台のブリッツェン・ベンツを製作した。前年のフランス・グランプリで優勝したものと基本的に同じエンジンを使用しつつ、排気量を15.1Lから21.5Lに拡大している。

ブリッツェン・ベンツは一時期、地球上で最速のクルマとして君臨し、陸上速度記録をはじめ、いくつかの非公式なタイトルも保持していた。主に直線での高速走行を目的に設計されたが、サーキットレースでもその実力を証明した。

ブリッツェン・ベンツ:21.5L
ブリッツェン・ベンツ:21.5L

サンビーム1000hp:22.4L x 2

このサンビームは「ミステリー」、あるいは「スラグ」という呼称で知られている。同社製のマタベレ航空機用エンジンが2基搭載されており、排気量はそれぞれ22.4L。

総出力は、車名が示唆するほどではなく900ps近くだったとされているが、重要な点は、1927年2月にヘンリー・セグレイブ氏(1896-1930)の運転により陸上速度記録を更新したことだ。往復平均時速は203.79マイル(327.97km/h)で、従来の記録を30マイル(48km/h)近く上回った。

サンビーム1000hp:22.4L x 2
サンビーム1000hp:22.4L x 2

ゴールデン・アロー:23.9L

こちらのゴールデン・アローも陸上速度記録車で、23.9Lのネイピア・ライオン・エンジンを搭載している。このエンジンは単独で、少なくとも2台のサンビーム・マタベルに匹敵する出力を生み出す。

このエンジンとボディの空力設計により、ゴールデン・アロー(またしてもヘンリー・セグレイブ氏が運転)は、1929年3月に陸上速度記録を時速231.446マイル(372.476km/h)へと引き上げた。

ゴールデン・アロー:23.9L
ゴールデン・アロー:23.9L

バブス:27L

ルイ・ズボロフスキー伯爵は1920年代に、航空機用エンジンを搭載したレーシングカーを数台製作した。その多くは『チキ・バン・バン(Chitty-Bang-Bang)』という名称が付けられている。シリーズの4台目は『ハイアム・スペシャル』と呼ばれ、当時最大となる27.0LのV12リバティエンジンを搭載している。

1924年にズボロフスキー伯爵がメルセデスでのレース中に事故死した後、このマシンはJ・G・パリー・トーマス氏によって買い取られた。トーマス氏は改良を加え、『バブス』と改名して、1926年に陸上速度記録を時速170マイル(273km/h)に更新した。彼は翌年の別の記録挑戦中に亡くなった。1928年、レイ・キーチ氏は3基のリバティエンジンを搭載した『ホワイト・トリプレックス』で時速207.552マイル(304.023km/h)を記録した。同氏もまた、スピードへの情熱が災いし、1929年に命を落とした。

バブス:27L
バブス:27L

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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