開発担当者に訊く、新型『日産エルグランド』の資料に書かれていないこと 「十分納得できるレベル」の仕上がり具合

公開 : 2026.05.18 11:45

先代ノートから熟成を重ねて進化

ドライブモードはパーソナル/スポーツ/スタンダード/コンフォート/エコ/スノーと6つ備わるが、エコでもモーターならではの無段階でスーッと走れる快適さで、市街地走行で十分な走りを見せる設定としている。

eペダルは首都高速などをブレーキを踏まずに走れるような、いわゆるワンペダル的なセッティングとしているが、完全停止まではしない。そのフィールはスムーズで、このあたりは先代ノートから熟成を重ねて進化させてきた。

パワートレインは第3世代のeパワーを採用。リアにもeアクスルを備えた4WDだ。
パワートレインは第3世代のeパワーを採用。リアにもeアクスルを備えた4WDだ。    日産自動車

ブレーキはバイワイヤを採用し、回生時の違和感を減少したり、前述のスムースストップを採用できた。これが摩擦ブレーキと回生ブレーキを制御して、自然な制動感覚を目指している。また、進化したeフォースにより回生ブレーキを協調制御させ、駆動力と制動力をコントロールしている。

例えばコーナリング時にアクセルを踏み込めば後輪のトルク配分を高め、さらに踏み込むと内輪ブレーキをかけてモーター出力を上げて狙ったラインを走ることができ、LLクラスのミニバンとは思えないほどのコーナリングを可能にしている。

FWDモデルは検討していない

バッテリーは運転席の床下に搭載されている。新型エルグランドに関しては、PHEV化やBEV化は考えられておらず、最初からeパワー専用モデルとして設計された。

また、エントリーグレードとしてリアのeアクスルを省略したFWDモデルは検討していないのか尋ねたところ、新型エルグランドはeパワーとeフォースの組み合わせによるパッケージングの前提としているため、全く考えていないそうだ。なお、現段階では日本専用モデルとして開発されている。

新型エルグランドは、現段階で日本専用モデルとして開発されている。
新型エルグランドは、現段階で日本専用モデルとして開発されている。    日産自動車

現在の日産技術の集大成的モデルともいえる新型エルグランド。しかし、開発者たちに技術のストックはまだまだあり、今後も進化していくという。クルマの開発において、エンジニアリングに終着点はない。

だが現段階では「十分納得できるレベル」に仕上がったという新型エルグランド。その姿を街中でも見られる機会はもうすぐだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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