機能美を追求したシエラRSコスワースから復活のGT、大反響の現代版ブロンコまで デザインが秀逸なフォード車 40選(後編)

公開 : 2026.10.31 11:45

フォードGT(2003年)

自社の歴史に刻まれた名車を復活させるのは常にリスクを伴うものだが、フォードは創立100周年を記念として、2003年にGTを発表した。40年前のGT40を現代風にアップデートしたものだが、乗り降りのしやすさや室内空間といった課題を解決し、親しみやすいスーパーカーとなっていた。

GTのスタイリングは、J・メイズ氏の指導の下、カミロ・パルド氏が担当した。車高はGT40の40インチのルーフラインよりも4インチ高いにもかかわらず、その差はまったく感じられない。レトロな雰囲気を醸し出す大型のGTは、2006年までに4038台が販売された。

フォードGT(2003年)
フォードGT(2003年)

フォードF150 SVTラプター(2009年)

フォードのスペシャル・ビークル・チーム(SVT)は、ラプターの開発にあたり、砂漠レース用トラックからインスピレーションを得た。これは単に機械的な側面にとどまらない。2009年に登場したF150ラプターは、郊外の駐車場に停まっているだけでも、バハの砂丘に挑んでいるかのように見えた。

標準のF150から流用しているのは、キャブとヘッドライトのみ。それほど徹底的に改造されたということだ。トレッドの拡大や巨大なホイールから、ウィングやダッシュボードに至るまで、あらゆる部分がラプター独自の仕様となっている。当初は2ドアモデルのみだったが、フォードは2011年に顧客の要望に応えて4ドアのクルーキャブ版を投入し、その後2世代にわたってラプターを展開した。

フォードF150 SVTラプター(2009年)
フォードF150 SVTラプター(2009年)

フォード・フレックス(2009年)

2005年のシカゴ・オートショーで公開された初代フレックス・コンセプトのデザイン担当者であるピーター・ホーベリー氏は、鋭い洞察力を発揮した。フレックスは、ミニバン、ステーションワゴン、SUVの要素を融合させながらも、独自のキャラクターを持ち、2009年に量産化された。

シンプルな外観からは想像もつかないかもしれないが、随所にホーベリー氏の巧みな設計手腕が光っている。直線的なラインを用いることで広い室内空間と優れた視界を確保しつつ、ボディの大きさを目立たなくしているのだ。また、黒く塗装されたピラーのおかげで、「浮いている」ようなルーフを実現している。1930年代の「ウッディワゴン」と呼ばれるステーションワゴンへのオマージュとして、側面やテールゲートに沿って複数の溝を設け、ボディの単調さを和らげている。

フォード・フレックス(2009年)
フォード・フレックス(2009年)

フォード・マスタング(2014年)

このリストでマスタングは3回も登場することになったが、それだけフォードにとって重要な存在ということだ。世代ごとに大きく異なるが、この第6世代モデルは1964年の初代モデルを彷彿とさせるスタイリングを採用している。

フォードが初めてレトロ路線に踏み出したのは2005年の第5世代モデルだが、2013年後半にデビューした第6世代で、その外観は完璧とも言える域に達した。初代モデルの影響は内外装ともに明らかだが、古臭さを感じさせることはない。また、マスタングとしては初めて右ハンドル仕様が追加されたことも大きな特徴であり、これによりオーストラリア、日本、英国などで熱心な新規オーナーを獲得することになった。

フォード・マスタング(2014年)
フォード・マスタング(2014年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の英国の自動車雑誌『AUTOCAR』(1895年創刊)。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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