蘇る初代の記憶! 新型『三菱パジェロ』は一眼レフに通じる魅力 念入りに開発された本格派であることを実感【森口将之が解析】

公開 : 2026.10.29 11:45

100km/hで1列目と3列目の会話ができるように

それとともに感じたのは静かさ。サーキットなのでそれなりにエンジンを回しての走行だったが、100km/hで1列目と3列目の会話ができることを目指しただけあり、走行中はディーゼルであることを意識させない。

そしてラダーフレームとサーキットの組み合わせということで、もっとも懸念していたハンドリングは、驚くほど自然だった。それでいて乗り心地はしっとりしていて、公道でも快適に過ごせそうに感じた。

走行中はディーゼルであることを意識させない静かさ。
走行中はディーゼルであることを意識させない静かさ。    山本佳吾

秘密はボディとフレームの間にある8個のマウントにあるようだ。前の2個は硬くして、ハンドリングの応答性を高めつつ、残り6個は水平方向を硬く、垂直方向を柔らかくするという凝った構造とすることで、快適性との両立を狙ったという。

確かにボディとフレームが一体で動かないと、ここまで自在には走れなかったはず。それでいて段差を乗り上げたりする際には、フレーム付きならではのいなしを発揮してくれることが確認できた。

もうひとつハンドリングで好印象だったのはステアリングで、電動パワーアシストだが適度な重さがあるので、安心してペースを上げていけた。

走破性の違いを体感するという楽しみ

新型パジェロは多彩なドライブモードを持つことも特徴だ。駆動系は2H、4H、4HLc、4LLc(Hはハイレンジ、Lはローレンジ、Lcは前後車軸直結)が選べ、ノーマルの他2Hではエコ、4Hではグラベルとスノー、4HLcではマッドとサンド、4LLcではロックが選べる。

2Hでは後輪駆動ならではの楽しさが味わえる。ノーズの重さも感じない。4WDの前後トルク配分は可変ではなく、40:60の固定。なので切り替えた瞬間から信頼できる前輪のグリップが手に入る。

新型パジェロは多彩なドライブモードを持つことも特徴。
新型パジェロは多彩なドライブモードを持つことも特徴。    山本佳吾

当日はウエット路面だったので、4Hではノーマルだけでなく、グラベルで走ることも許された。切り替えるとフロントがしっかり掻いて車体を曲げてくれるのがわかる。こうした設定まで念入りに開発していることが理解できた。

今はこうしたモードを持たないSUVも多いけれど、個人的にはそれらがスマートフォンのカメラなら、新型パジェロのような本格派には一眼レフに通じる魅力があると思った。多彩なモードの中から路面に最適なものを自ら選び、走破性の違いを体感するという楽しみがあるからだ。

新型パジェロが歴代から引き継いだ部分は多いけれど、こういう部分を妥協せずしっかり作り込んでくれたところもそのひとつ。だから新型もまたパジェロであると認めたくなるのである。

三菱パジェロ・スーパーエクシードのスペック

全長×全幅×全高:4920×1925×1910mm
ホイールベース:2870mm
車両重量:2460kg
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ
総排気量:2439cc
最高出力:150kW(204ps)/3500rpm
最大トルク:480Nm(48.9kg-m)/1750-2500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:フロント縦置き4WD
燃料/タンク容量:軽油/80L
WLTCモード燃費:12.1km/L
タイヤサイズ:255/55R20
価格:795万800円

三菱パジェロ・スーパーエクシード
三菱パジェロ・スーパーエクシード    山本佳吾

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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