蘇る初代の記憶! 新型『三菱パジェロ』は一眼レフに通じる魅力 念入りに開発された本格派であることを実感【森口将之が解析】

公開 : 2026.10.29 11:45

10月29日、三菱は同社のブランドを象徴するフラッグシップモデルとなるクロスカントリーSUV、新型『パジェロ』を12月17日より販売開始すると発表しました。事前にサーキットで試乗した森口将之のレポートです。

新型への期待に作り手も応えたい

10月29日に発表された通算5代目となる三菱自動車(以下、三菱)の新型『パジェロ』。グローバルでお披露目されたのが9月2日だったことを考えると、10月1日に予約注文受付を始め、そして今回の12月17日販売というスケジュールは、かなりスピーディだと感じる。

SNSを見ても、新型パジェロに期待する声はかなり多いようだ。作り手としても、その声に応えたいという気持ちなのかもしれない。

発売前の新型三菱パジェロを、森口将之がサーキットで試乗。
発売前の新型三菱パジェロを、森口将之がサーキットで試乗。    山本佳吾

ラダーフレームを復活させ、4気筒ディーゼルターボエンジンを継承したエンジニアリングや、エクステリアやインテリアのデザインはグローバル発表会で明らかになっていた。となると気になるのは、乗ってどうなのか。そのために三菱は、発売前のモデルをサーキットで試乗するという舞台を用意してくれた。

ピットに置かれた新型パジェロは、モダンでありながら無味乾燥ではなく、彫刻的なフロント、リアまわりや豊かに張り出した前後フェンダーなど、無駄な贅肉はないが筋肉はしっかりついている感じだ。

もうひとつ印象的だったのは、T字型ライトシグネチャーの奥にあるヘッドライトが、鋭く睨みを効かせていたこと。かなり精悍な雰囲気を漂わせていた。

試乗車が最上級グレードの『スーパーエクシード』だったためもあるが、インテリアはとにかく上質。ラダーフレームを持つのでフロアは高めだが、ステップとグリップの位置関係は小柄な人も配慮しているようで、身長170cmの僕は楽に乗り降りできた。

昔のクロスカントリーSUVを思わせる眺め

前席のアイポイントは高め。それに対してインパネは低く抑えられていて、最近のSUVとしては珍しく、見下ろし感覚の視界が得られる。昔のクロスカントリーSUVを思わせる眺めだ。

一方でステアリングのチルトやテレスコピックが電動調節式であるなど、フラッグシップSUVであることも実感する。シートはベッドのポケットコイルをヒントにした体圧分散機能を取り入れただけあって、なかなか心地良かった。

ステアリングが電動調節式であるなど、フラッグシップSUVであることを実感。
ステアリングが電動調節式であるなど、フラッグシップSUVであることを実感。    山本佳吾

走り出して最初に気づいたのは、車両感覚の掴みやすさ。サーキットということで、この面をあまり気にせずドライブしていたのだが、ふとドアミラーを見ると、コースぎりぎりをトレースしていることに気づいた。

見下ろし感覚の視界に加えて、エンジンフードが見切りしやすい形状だったり、ボディサイドが水平基調だったりというおかげだろう。公道に持ち出しても全長4920mm、全幅1925mmというサイズは、さほど苦にならないかもしれない。

直列4気筒ディーゼルターボエンジンは2.4Lと、ボディサイズを考えれば小排気量ということもあって、3.2Lの先代で気になったガラガラ音はなく、吹け上がりもガソリン車を思わせる滑らかさがある。いち早く乗用車用エンジンを積んだ初代の記憶が蘇ってきた。

スーパーエクシードの車両重量は2460kgもあるが、2.4Lでも力は充分だった。480Nmの最大トルクを1750〜2500rpmという低回転域で発揮し、それを8速ATが効率的に路面に伝えてくれるところが大きい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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