BMW 5シリーズGTフューエル・セル・コンセプト

公開 : 2015.07.02 23:40  更新 : 2017.05.23 10:25

  • BMWとリンデ社は、超低温の水素をテスト車に補給する移動式の水素補給車を開発した。

プロトタイプ初期であるにもかかわらず、身のこなしに危うさはなく、走りも常になめらかだ。基準車よりも機敏であり、ハンドリングや乗り心地にも満足できたのは意外だった。

これは恐らくタンクをストラクチャーにボルト留していることが理由であり、結果的に車体全体がカチリと引き締まっているように感じるのだ。驚くほど洗練されているといっても、まったくいい過ぎではない。

BMWが今頭を抱えているのは、燃料電池を作るうえで、いかにして個性を与えるかという点だというが、このクルマに乗った筆者は、電気自動車がなめらかに、静かに、そして俊敏に走るように、燃料電池自動車らしいキャラクターが与えられる日が来るはずだと思えた。

■「買い」か?

BMWとトヨタは2020年までにすべてのコンポーネントをマス・プロダクション化したいとのことだが、まだ買うことはできない。それまでに特に日本や韓国で水素供給ネットワークが拡充される必要もある。ドイツは、使用頻度の高い道路に水素ネットワークを展開していくという。

フューエル・セルを支持する人々はバッテリーに関して “いつだって高価で、寿命も短く、さらに致命的なのは常にバッテリーの減りに怯えなければならない” と捉えている。実は環境に対してもフレンドリーではないという見方もある。

フューエル・セル・スタックならば5000時間程度、あるいは20万km程度走れる。水素のストレージはほぼ永久に使用できる。

今回コンセプト・モデルに触れることによって、水素が ‘燃料競争’ に勝っていけるのではないかという証明が目の前でなされたことがわかった。

(ヒルトン・ホロウェイ)


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