ジャガーXF 2.0 i4D 180 R-スポーツ

公開 : 2015.08.17 23:40　　更新 : 2017.05.29 18:37

これに関してジャガーは、多くの人は気にならないレベルであるとコメントしている。たしかに多くの人は気にしないかもしれないが……。

一方、43.8kg-mの最大トルクはわずか1750rpmから湧きあがる。高回転域の力強さや、適確なギア・チョイスも特筆に値する。

高速域のマナーにもまったくケチのつけようがない。スペインの高速道路のうえでは驚くほど乗り心地がよく、つねにしっかりと落ち着き払っている。まるでリムジン・サイズの安定感である。

ステアリングもきっちりと作りこまれている。初代は時に神経質なところがあったのに対して、こちらはかなり従順だと感じる。リニアリティに富んでもいる。普段5座の4ドア車の中で渋滞に巻き込まれると最悪な気もちになるのだが、今回はまったくそう感じなかった。

28%に及ぶ剛性の向上、乾燥重量の低減、50:50の前後重量配分なども手にとるようによくわかる。ホイールベースが長くなっているにもかかわらず、動きにキレが失われたとも感じない。とかく夢中なってドライビングを楽しめるんだ。

リア駆動のジャガーに求めるすべてをクリアしている。

■「買い」か?

完成度が高く、スペースも確保された。先代より効率もいいうえ、装備も充実している。メジャーなライバルを怯えさせる存在となるだろう。

ドライバー参加型のおもしろさも損なわれていない。よって、きっぱりと「買い」。

(ニック・カケット)