「さよなら」ジャガーのサルーン XF 250PSでラストラン(1) 高い一貫性 濃い一体感

公開 : 2024.07.06 09:45

上級サルーン市場から、しばしの撤退を決めたジャガー 一体感の強い運転体験を叶えたXF 現代基準でしっとりした乗り心地 ステアリングは正確 シャシーは敏捷 英編集部が魅力を再確認

AUTOCARでは高く評価してきたXF

ジャガーの上級サルーンを購入したいと考えた現代人は、多かったわけではなかった。確かなファンも存在したものの、しばらく誰も新車では購入できなくなった。

今回お借りしたシックなXFは、生産終了を控えた2024年にラインオフした1台。トラディショナルなシルエットのジャガーは、当面作られる予定がない。

ジャガーXF インジニウム2.0 250PS(英国仕様)
ジャガーXF インジニウム2.0 250PS(英国仕様)

だいぶ先ながら、次世代が登場することは明らかになっている。そこまで悲観する必要はないかもしれないが、バッテリーEVになることは間違いない。遥かに高価格帯に据えられるという情報もある。これまでのユーザーを、取り込むことはできるだろうか。

そもそも、ジャガー製サルーンの魅力とは何だったのか。どんなドライバーを満たしてきたのか。それを改めて確認するべく、筆者は最後のXFでロングドライブしてみることにした。

2007年に発売された初代XFを、AUTOCARでは高く評価してきた。見事に達成された仕上がりにあると、試乗したわれわれはまとめた。ジャガーが必要とした世界水準のモデルであり、タイミングも丁度いいと判断した。

スタイリングは伸びやかで、ハンサムだった。乗り心地は快適で、操縦性も素晴らしかった。ドイツ勢と比べて価格はお手頃といえ、製造品質も劣らなかった。狙い通りのジャガーといえた。

一貫性が高く、一体感の濃い運転体験

2代目の登場は2015年。多くの特徴を受け継ぎ、筆者はとても気に入っていた。クラス最高の操縦性が強みだった。一貫性が高く、一体感の濃い運転体験は、ドライバーを笑顔にすることができた。

ただし、ジャガーは多くの人へサルーンを売ることが得意とはいえなかった。多様な人へ訴求できるような、バリエーションの展開はなかった。結果として、納得できる数は生産できなかった。

ジャガーXF インジニウム2.0 250PS(英国仕様)
ジャガーXF インジニウム2.0 250PS(英国仕様)

ジャガーは、高級バッテリーEVメーカーへ生まれ変わろうとしている。この2代目を、内燃エンジン時代最後の上級サルーンとして残して。

そこで、オーナーの意見を聞けるかもしれないと考え、XF 250でいくつかの場所を訪れることにした。同社の経営陣へ伝えたいアイデアを、引き出せるかもしれない。

まず向かったのは、ロンドン西部のハマースミス・エリア。20世紀初頭、エドワード朝時代かヴィクトリア朝時代かわからないが、クラシックなテラスハウスが並んでいる。

筆者が目指した建築は、20世紀半ば、エリザベス女王時代に完成したもの。筆者の記憶では、1980年代は中古車販売店で、有名なジャガー・オーナーが経営していたはず。

といっても彼は、俳優のジョージ・コール氏が演じた架空の人物。1979年にテレビ放映が始まったコメディドラマ、「マインダー」のアーサー・デイリー氏のことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ジャガーXF 250PSでラストランの前後関係

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