BMW X1 xDrive 20i

公開 : 2015.12.14 23:55  更新 : 2021.10.11 09:02

X1 xDrive 20iは、すべてがきれいにシンクロして動く。発進加速は鋭いし、そのあと8段ATはドライバーの意志をくみとって、かなり正確にギアを選んでくれる。中間加速でも8つのギアは、ていねいにトルクの “橋渡し” をしてくれる。ぐんぐん加速するときは、いいなあと思わず声が出そうになった。

“ドライビングパフォーマンス・コントロール” では、スポーツ走行用から燃費重視まで、3つの走行モードが任意で選択できる。一般的な “コンフォート” を選択していても、トルクバンドが広いうえに、クルマによるギアの選択が適切なので、箱根のワインディングロードでも十分と感じられるほどだ。速めのペースで走るのも楽しい。

“スポーツ” を選択すれば、もちろん、よりスポーティだ。ドライバーズカーを作るというBMWの “核” は新しいX1の中心にもしっかりあると思える。シフトタイミングは遅めになり、エンジンでは上のほうの回転域を使うことになる。1250rpmから4600rpmと広い幅で最大トルクを出す設定のモジュラータイプの新世代の4気筒は、トルクの頭打ち感もなく、気持ちよく回る。

カーブを回っていくときも、狙ったとおりのラインをとれる。オンロードではほぼ100%のトルクが前輪にいっている。ただし運転状況に応じて、たとえばカーブでオーバーステアやアンダーステアを感知すると、トルクを少し後輪に逃がして姿勢を安定方向に戻していく。加えて、“パフォーマンスコントロール” も標準装備だ。コーナリング中にアンダーステアを感知すると、内側後輪に自動的にブレーキをかけるシステムである。

これまでの2シリーズアクティブツアラーや同グランツアラーとは、明らかに一線を画した運転の喜びを感じられると思った。このエンジンとxDriveの組み合わせはアクティブツアラーに設定されていないことも、X1 xDrive 20iの存在感を際立たせている。

記事に関わった人々

  • 小川フミオ

    1959年生まれ。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業。二玄社(にげんしゃ)で「NAVI」の編集に携わる。1999〜2001年、編集長。02年より「モーターマガジン」(モーターマガジン社)の編集長に。同年秋より「Food and Style」を謳うグルメ誌「アリガット」(IMAGICAパブリッシング)の編集長に。2004年よりフリーランス。

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