BMW X5 xDrive 40e

公開 : 2015.12.14 23:54  更新 : 2021.10.11 09:02

■どんなクルマ?

BMWの大型SUV、X5にプラグインハイブリッドが追加された。X5 xDrive 40eは、BMWブランドして日本導入された初のPHVとなる。世の潮流は、脱炭素化社会に向かっており、ドイツをはじめ世界の自動車メーカーは、燃費低減の方策をさまざまな形で採用している。BMWも熱心に取り組んでいるメーカーの一つだ。

現行X5の日本導入は2013年暮れだった。パワフルな4.4ℓV8も用意されていて(まだあるが)、そのときはここまで急速に、クルマの世界でも脱炭素化が進むとは思わなかった。しかしこうして、発売から2年後に早くも、新しい時代へと向けた車種が追加された。2015年12月といえば、気候変動防止に向けたCOP21がパリで開催されたのと同じタイミングでの日本導入。時代の急激な変化を強く感じる。

X5 xDrive 40eは、2ℓ4気筒エンジンに、電気モーターを組み合わせている。システム全体で313psの最高出力と、45.9kg-mの最大トルクを持つ。電気モーターはエンジンと8段ATの間にはさみこまれている。前輪はエンジンで、後輪はモーターでという、ハイブリッド・トヨタ車のE-Fourのようなシステムとは異なり、4WDシステム全体を2つの動力が動かす。

プラグインハイブリッド化されたSUVといえば、ポルシェカイエンS E-ハイブリッドでおなじみだ。このさき、メルセデス・ベンツフォルクスワーゲンアウディといったメーカーも、PHVの大型SUVを日本に導入する計画があるとか。電気モーターのみでの航続距離はセダンに劣るが、大型車体を動かすのに(とくに発進時は)トルクが大きな電気モーターは、相性がいい組み合わせだ。

全長4.91m、全高1.76mの余裕あるサイズのX5。大きなボディには大排気量エンジンがマストな組み合わせと、これまでは思われてきた。いまや、電気モーターを発進時に使い、あとはターボ化技術によって加速性能も確保する。こんなクルマ作りが主流である。X5 xDrive 40eも、この新先端のハイブリッド技術の恩恵をしっかり受けた出来なのだ。

走らせてみると、たしかにしっかりパワー感がある。

記事に関わった人々

  • 小川フミオ

    1959年生まれ。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業。二玄社(にげんしゃ)で「NAVI」の編集に携わる。1999〜2001年、編集長。02年より「モーターマガジン」(モーターマガジン社)の編集長に。同年秋より「Food and Style」を謳うグルメ誌「アリガット」(IMAGICAパブリッシング)の編集長に。2004年よりフリーランス。

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