ドーンはレイスが誇りとするグランド・ツアラーの立ち位置を引き継ぐ。厳密にいうと ‘スポーティ’ とはやや異なるが、洗練され、なおかつ特権的で、粋である様は、ロールス・ロイスの提言するGTの理想なのだ。

剛性を高めるためにクーペよりも200kg重くなった4シーターのドーンのボンネットには、571psと79.5kg-mの6.6ℓV型12気筒ツイン・ターボがおさまる。ちなみに英国における価格は£264,000(4,080万円)〜。

■どんな感じ?

相変わらず堂々としたクルマであるが、威厳たっぷりなファントムに比べると ‘赤いベルベットのカーペットっぽさ’ はいくぶん薄まっている。上質だが、それを主張しすぎないコットンのようだ、とでもいおうか。

実際に走らせてみても、この感覚は変わらない。盾のようなファントムのグリルは、ドーンの場合なだらかになっているというのも、そう感じる理由だろう。T字路でも苦労しないし、キャッツアイの位置もつかみやすい。