ロールス・ロイス・ドーン 生産終了、7年の歴史に幕 グラマラスな高級コンバーチブル

公開 : 2023.05.03 18:05

ロールス・ロイスは、ドーンの生産が終了し、最後の1台が英グッドウッド工場から出荷されたと発表しました。EVのスペクターが間接的な後継となりますが、コンバーチブルモデルの計画はありません。

2ドアの純エンジン車、生産終了

ロールス・ロイスは、コンバーチブルモデルのドーンの生産が終了したと発表した。英グッドウッド工場から最後の1台が出荷され、7年間の生産に幕を下ろした。

ドーンは、クーペモデルのレイスと双璧をなす2ドア・コンバーチブルで、最高出力570psのV12エンジンを搭載する。受注は2022年3月に締め切られた。

最後の1台となるロールス・ロイス・ドーン
最後の1台となるロールス・ロイス・ドーン    ロールス・ロイス

この2台は、EVの新型スペクターが間接的な後継となるため、ロールス・ロイスの燃焼エンジンを搭載したモデルとしては現在、ゴースト、ファントムカリナンの3台が残っている。

スペクターの納車は今年の第4四半期に開始される予定で、現在、開発テストの最終段階に入っている。

ドーンとレイスの直接的な後継車ではないものの、今後のラインナップの中でクーペの役割を果たすことになると、同社CEOのトルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏は2022年に語っている。今のところ、ドーンに代わるコンバーチブルの計画はない。

ドーンの生産終了は、公式声明では「栄光と華やかな時代の終わり」と表現されている。

ミュラー・エトヴェシュ氏は次のように述べている。

「ドーンという名称を復活させることで、ロールス・ロイスは自動車以上のものを再活性化させました。インスピレーションを得たシルバードーン・ドロップヘッドのように、現代のドーンは、ラ・ドルチェ・ヴィータ(人生の美しさと豊かさを受け入れる生き方)を現代的に表現することを特徴とするようになったのです」

「ドーンは、楽しい仲間と過ごす喜び、冒険のスリル、そして静かな安らぎを反映しています。このクルマは、ラ・ドルチェ・ヴィータの精神を細部まで再現した、現代の生活芸術なのです」

「ドーンの生産終了を迎える中で、わたし達はブランドの歴史における特別な章を振り返っています。この美しい自動車は、ブランド創設の理念と遺産を称えながら、現代のラグジュアリーを完璧に体現しています」

2022年のロールス・ロイスの総販売台数6021台のうち、ドーンとレイスは10%を占めた。販売の大半はカリナンが占め、ゴースト(30%)、ファントム(10%)がそれに続く。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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