ルノー・セニックTCe 130

公開 : 2016.09.16 05:40　　更新 : 2017.05.29 19:22

1.2ℓのターボ・ガソリン・エンジンは、一般道を走るぶんにはパワー不足に感じることはないが、追い越しはアクセルを強めに踏んでやる必要がある。回転感はあくまでなめらか。クルーズ時の音は比較的大きめだ。

ホイールは先述のとおり大径だが、17インチや18インチのライバルに比べても、乗り心地が悪いとは感じない。快適とはさすがにいえないが、高速域では落ちついている。ただしロケ地がフランスということもあったため(路面が英国よりもはるかに良好)、今年末の英国内のテストで最終的な結果をだすとしよう。

操舵に対する反応は正確で、直進時に不必要な微調整をする必要もない。ただし、まったくもって親密さや楽しさは感じられない。ボディ・ロールも大きめで、OFFにできないトラクション／スタビリティ・コントロールは乱暴な介入をする。見た目がエキサイティングなだけに、もう少し身のこなしにアスリートらしさがあってもいいのではないだろうか。

■「買い」か?

大きな荷物と多くの家族で移動するのであれば、競争力は高い。楽しいとはいいがたいが、20インチのホイールを履いていることを考えると、圧倒的に生活に馴染みやすいクルマだといえよう。

ただ、ディーゼルの方が好ましい。さらに安価なランニング・コストと低速域のトルクが、そう考えさせる理由である。

■日本版編集部の見立て

グランセニックとカジャールに挟まれてなかなか難しい立ち位置のセニックだが、超実用的なクルマとしての魅力は高そうだ。しかし、この大きさに1.2ℓガソリンは非力なことは容易に想像が付く。やはりdCi 130ディーゼルの方が、賢い選択だろう。どちらにせよ、日本導入は期待薄だ。