720psの4.0ℓV8を搭載 0-100km/h加速2.9秒のマクラーレン720S ジュネーブ

公開 : 2017.03.07 23:46  更新 : 2017.06.01 00:27

マクラーレンのスーパーシリーズがフルモデルチェンジして第2世代へと進化を遂げた。ネーミングは720S。何がどれだけ進化しているのだろうか。

第2世代へ進化したスーパーシリーズ

720Sは、650Sの後継モデルで、マクラーレンの中心的な存在となるモデルだ。マクラーレンは2022年までの15台のモデルをリリースするとしているが、その中でも目玉となる。

スーパーシリーズは、2011年の12Cからスタートし、650Sへと発展してきたモデル。ネーミング・ルールは、今までのものが踏襲されたことになる。

2シーターのカーボンファイバー製タブに、前後のサスペンションを吊るアルミニウム製のスペース・フレームという組み合わせがボディの基本構造。これに、4.0ℓV8ツインターボ・ユニットがセットされる。

その殆どが完全な新設計で、唯一引き継がれるのは3.8ℓから4.0ℓにスープアップされたエンジンだ。エンジン・パワーはそのネーミング通り720psを発揮する。

マクラーレンは、この720Sを5月からデリバリーするとしており、英国での価格は£207,900(2,900万円)とアナウンスされている。ローンチ・エディションの400台は既に完売だという。今年はローンチ・エディションを含めて1,200台、そして来年は1,500台の販売を目標にしている。

ボディ&シャシー

モノケージIIと呼ばれるカーボン・モノコックが720Sの骨格となる。また、このモノコックの特徴は、超軽量カーボン・ファイバーというマテリアルが使用されることにある。ボディ重量は1283kgと、ライバルのフェラーリ488GTBよりも200kgほど軽い。

更に、マクラーレンF1に採用された、ガルウイングとも異なり、Aピラーの上下2点を支点として跳ね上がるディへドラル・ドアも大きな特徴だ。

他に類を見ないフォルムのスタイルは、エアロダイナミクスを徹底的に追求したもので、650Sに対して2倍のエアロダイナミクスを持つという。

製品開発の責任者であるマーク・ヴィネルは、幾つかのエアロダイナミクス・テクノロジーが、目立ったレベルでグリップとスタビリティの向上に役立っているという。

720Sには、ほぼ全幅と同じサイズのアクティブ・ウイングが採用されているが、このウイングは上方へ移動することによってエアロダイナミクス効果を最適化するという。

またこのウイングは、0.5秒未満という動作スピードで、エア・ブレーキの役目を果たすようにも作用する。

ディヘドラル・ドアによって変更されたラジエーターへのエアフローは、15%ほど冷却効果をアップさせるのに役立っている。最初にP1に見られたこの技術は、ドア・ストラクチャーに含まれるドアの上部からラジエーターに空気を導入するというもの。また、フロント・ホイール・アーチはダウンフォースの向上に役立っているという。

エンジンは4.0ℓにスープアップ

エンジンはツイン・ターボチャージャー付きのV8が引き継がれるが、キャパシティは3.8ℓから4.0ℓへと増加した。軽量ピストンとコンロッド、より高剛性かつ軽量化されたクランク、より反応の良いタービンなどが組み込まれる。エンジンの41%のパーツが新たに作られている。

エンジンのパワーは720ps/7000rpm、トルクは78.5kg-m/5500rpmだ。ギアボックスは、これに7速デュアル・クラッチが組み合わされるが、その制御ソフトウェアはアップデートされている。

また、ローンチ・コントロールも見直されている。

ドライビング・モードは、コンフォート、スポーツ、トラックの3モードが用意される。

0-100km/h加速2.9秒、最高速度341km/h

マクラーレンによれば、0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速7.8秒。そして最高速度は341km/hとアナウンスされている。また0-400m加速は10.3秒だ。

これは15%ほど向上したパワーと、軽量化されたボディによるもの。ブレーキ・システムで2kg、エレクトリック・システムで3kg、エアボックスで1.5kgのダイエットになっているという。

また、パフォーマンスは向上しているものの、エミッションの値は向上しているという。

サスペンション、ステアリング、ブレーキ

4輪ダブル・ウィッシュボーンのサスペンションは、バネ下重量を16kgほど軽くするために一新された。また、プロアクティブ・シャシー・コントロールもアップデートされている。

ダンパーは油圧式で、ケンブリッジ大学と6年掛けて開発した12のセンサーから収集した情報を元に調整するというもの。このシステムの反応時間は0.5ミリ秒だ。

ブレーキはカーボン・セラミック・ディスクで、タイヤは専用開発のピレリPゼロを履く。サイズはフロントが245/35ZR19、リアが305/30ZR20だ。

▶ 2017 ジュネーブ・モーターショー

関連テーマ

おすすめ記事

 

マクラーレンの人気画像