アストン・ヴァンキッシュS「ヴォランテ」試乗記 2017年版、理性で選ぶなかれ

公開 : 2017.07.25 12:10

「クーペorオープン」という次元ではない

クーペモデルよりスポーツ的な要素が損なわれるのは、やむを得ないところだ。しかし、クーペかオープンか、という選択にはならないように思われる。

ヴォランテの比較対象になるのは、フェラーリ・カリフォルニアTやロールス・ロイス・ドーンベントレー・コンチネンタルGTコンバーチブルといったところか。

そうしたライバルに対して、ヴォランテの競争力は高い。少なくとも、フェラーリ812スーパーファストまでも相手にしなくてはいけない市場に投入されたクーペよりは。

ライバルとの比較はともかく、オープン化は、クーペにあったヴァンキッシュSのキャラクターをいささかも損なうものではなかった。乗り心地は変わらず良好で、ボディコントロールもタイトなままだ。

たしかにバタつきはあるし、不整路面ではルームミラーにわずかながら震えが出る。ステアリングのキックバックや振動も、剛性の低下を感じさせる。

ただし思うことがある。

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