高級SUV対決 ヴェラールとドイツの強敵、Q7/カイエン 後編

公開 : 2017.09.24 15:40  更新 : 2021.04.13 18:04

カイエンの走りはまるでスポーツカー

カイエンは横グリップも安定感もコーナーでの挙動のアジャスト性もはっきりとあり、ドライバーの操作へより報いてくれるのは確かだ。しかし、それには犠牲を強いられる。

重量のかさむエンジンをたださえ重いクルマに積んだことで、ステアリングは時として過剰かと思えるアシストが必要となり、直進安定性はヴェラールほど高くなく、路面とのコンタクトもほとんど感じられない。乗り心地は、決して理想的ではない。コンフォートでは衝撃は吸収するものの減衰が足りない印象で、スポーツに切り替えるとぎこちなさととげとげしさが目立ち、いずれにしてもややドタバタする。

はっきり言って、これはこの手のクルマのオーナーが、オンロードで求めているようなクルマではない。ただし、勇猛果敢な走りを求めているなら別だ。2.2トンの4WDでありながら、望めばパワー・オーバーステアに持ち込める。馬鹿げた話に聞こえるだろうが、本当のことなのだ。

コーナーでのカイエンはグリップ十分で、カーブの中央でもニュートラルなままだが、そこからトルクをフルにかければパワースライドに移行する。その走りはSUVではなく、トランスアクスルの後輪駆動スポーツカーのようだ。

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