多様性と洗練性 小変 アウディQ7 55 TFSIe クワトロ(1) 3列目が必要ならマイルドHV
公開 : 2025.05.19 19:05
アウディのフラッグシップSUV、Q7が小変更 電気で82km走れるプラグインHV 洗練性と高品質を実感する内装 即時的なレスポンスに余裕のクルージング 乗り心地は優秀 UK編集部が試乗
端的に表現するなら多様性と洗練性
アウディのフラッグシップSUVを端的に表現するなら、多様性と洗練性。ドイツ・インゴルシュタットが誇る大型モデル、Q7は2007年に初代が発売された。現行は2代目で、2020年に大きなフェイスリフトを受けている。
だが、ランドローバー・ディフェンダーやBMW X5、ボルボXC90などとの戦いをもうしばらく凌ぐため、再びアップデートされた。3代目Q7は、2026年に控えている。

e-トロンを冠したバッテリーEVのラインナップ拡充を、アウディは進めている。その前に、ハイブリッドモデルのラインナップを整えることにしたようだ。
電気だけで最長82km走れるプラグインHV
今回の更新内容は控え目。スタイリングでは、前後のバンパーとラジエターグリルが新しくなり、マトリックスLEDヘッドライトが変更された程度。ボディカラーとアルミホイールも、選択肢が改められている。
トリムグレードは、S-ラインとブラックエディション、フォアシュプルングの3段階。パワートレインは、従来通りガソリンとディーゼル、プラグイン・ハイブリッドから選べる。後者を除いて、すべて48VのマイルドHVとなり、共通して四輪駆動だ。

エントリー仕様となるのが45 TDIで、230psを発揮する3.0L V6ディーゼルターボが載る。ガソリンエンジンでは、55 TFSIが最もベーシック。340psを発揮する3.0L V6ターボが載り、0-100km/h加速を5.6秒で処理する。
最上位には、V8ツインターボで507psのSQ7が君臨。今回試乗したのはプラグインHVの55 TFSIeで、55 TFSIと同じエンジンに電気モーターが組み合わされ、システム総合394psを得ている。駆動用バッテリーは25.9kWhで、電気だけで最長82km走れる。
洗練性や高品質を実感するインテリア
インテリアは、アウディの洗練性や高品質を端的に実感できる領域。ダッシュボードにはタッチモニターが縦に2段重なり、レザーとスウェードで仕立てられた空間を、ブラシ仕上げのメタルトリムが飾る。派手すぎない、上品なデザインといえる。
実際に押せるハードスイッチはほぼなく、エアコンも下段のタッチモニターがまかなう。上段はインフォテインメント用だ。ただし、入力への反応はやや遅く、アイコンには小さすぎるものも。項目次第では、モニターをしっかり見つめる必要がある。

エアコンには、実際に回せるノブが欲しい。運転中の温度調整などは、簡単ではない。アップル・カープレイとアンドロイド・オートへは、もちろん対応する。
バーチャル・コックピットと呼ばれる、モニター式のメーターパネルは高精細。表示は多様に変更でき、燃費データやカーナビのルートなど、望んだ情報を目前で確認できる。ヘッドアップ・ディスプレイも有用なアイテムだ。