アウディQ7 V12 TDI エクスクルーシブ

公開 : 2012.03.02 17:20　　更新 : 2017.05.29 18:18

■どんなクルマ？

2008年に登場したコーストライン・コンセプトのように、アウディQ7 V12 TDIに幻想的なオプション・パッケージを付けたモデルがQ7 V12 TDI エクスクルーシブだ。

辛うじて信じられる限界といえる44,350ポンド(580万円)というエクスクルーシブ・コンセプト・パックのオプション価格は、インテリアにふんだんに使われた羊革のナッパ・レザーとアメリカン・ウォルナット、そして21インチのポリッシュ・アロイ・ホイールで構成される。V12モデルの6桁で始まるプライスタグには、2、3のおまけ(52万円のバング&オロフセンのサウンドシステムなど)が含まれているが、その価格は、ポルシェ911カレラ、ランドローバー・ディスカバリー4 HSEと、ケーターハム・セブン・スーパースポーツを3台まとめて買ってもおつりがくる価格なのだ。

■どんな感じ？

明らかにやり過ぎだ。莫大な量のウッドと羊の革を上品にクルマに取り込むという手法は、アウディがこのコンセプト・パッケージに適当だと考えた手法だ。しかし、高級な材質を取り入れたにも関わらず、その革は、死んだ狐の毛皮のコートのように感じられてしまう。

巨大なV12 TDIエンジンによって推進されるQ7は、交通の流れに乗るにも、2.5トンという重さのため、驚異的な緊張間を強いられる。

サーフィンの帰りに、たった一人で革の肘掛け椅子に座って101.9kg-mという巨大なトルクの波に身を委ねるのは、TESCOのショッピングバッグがウォルナットのフロアにポツンと置かれているのにも似ている。

■「買い」か？

絶対にノーだ。Q7 V12 TDI エクスクルーシブは、何よりも高すぎるし、金メッキした油樽のようにエンジンもオーバースペックだ。高速で高価なSUVというのであれば、ポルシェ・カイエン・ターボと、レンジローバー・スポーツ、この2台のほうが、遥かに安く、あらゆる面において優れているからだ。

(ニック・カケット)